開店休業 インデックス投資Way

霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」に投票しました&おまけ

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今年も、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year(FOY)への投票が始まりました。投資ブログでは次々と投票報告がなされており、私もこの流れに続くのであります。

晴れて念願の初参加。「“投信ブロガー”であること。2017年9月30日までにブログを開始していること。」との投票資格を満たし(希望的観測)、ついに票を投じることができる身となりました。

このイベントについては、最早ここで改めて語るまでもありません。来年1月13日の結果発表の際は、できれば自分もその場に居合わせたいと思っていますが、やはり熾烈なチケット争奪戦になるのかな…。

ちなみに、FOY2016にまつわる私の思いは、簡単ながら、以下の記事で触れています。

 

投票したファンドは!?

今回、FOYへの初参加にあたり、私なりの投票基準を設定しました。

それは「この1年間で最も『うおおッ!』となったファンド」というもの。

極めて曖昧な基準で我ながらよく分かりませんが、単に自分の素直な気持ちや感情に従って投票したいということです。一方で、「いま自分が保有している、積み立てている」といったことには拘らないことにしました。

ということで、今回、私が投票したのは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」。持ち点である5ポイントすべてを投じました。

このファンドは、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を投資対象とするという、ありそうでなかった画期的なもの。これ一本で、全世界の大型・中型株から小型株まで投資することができます。分配金を勝手に再投資してくれるのも手間いらずで嬉しいです。

詳細をお知りになりたい方は、じゅん@さんの解説がとても丁寧で分かりやすいので、こちらをご覧ください。

今年9月から10月にかけて、このファンドの新規設定の一報が数々の投資ブログを駆け巡ったときは、私も「うおおッ!ついに出た!」とテンションが上がりました。

自分の中では文句なしの2017年トップファンドなのです。

 

惜しくも次点

なお、今回、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」に対しても、1ポイントずつ投票しようか悩みました。

これらは確かに今年、低コスト競争に一石を投じた功績あるファンドたちです。しかし、「最低水準のコストに張り付く」というSlimシリーズの性格上、「他と並ぶ」ことはあっても「ぶっちぎる」ことはありません。このため、「うおおッ!」とまではならず、今回、5ポイントを振り分けるには至りませんでした。

 

実は・・・

本日、11月12日をもって、このブログは1周年になりました。

これまで訪れてくださった皆様の支えなしには今日という日は迎えられませんでした。ありがとうございます。

とはいえ、1年間でようやっと70記事ちょい。大々的に喜ぶのは100記事達成のときに取っておきます。あと半年くらいかかるかな…。

来年以降も、ブログスタート記念日である11月12日に、FOYに投票した記事をアップしていきたいと思います。 インデックス投資もブログも継続が命。一つの節目を迎え、また新たな目標ができたのでした。

最後に恐縮ですが一句。

「このファンド、いいね」と君が言ったから 11月12日はブログ記念日(字余り)

祝!奨学金完済!

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独立行政法人日本学生支援機構から「奨学金返還完了のお知らせ」「返還完了証」が送られてきました。今年の9月をもって、大学時代の奨学金が完済したのです。

 

無利子の奨学金

奨学金の総額は2百数十万円。それを十数年かけて毎月少しずつコツコツと返済してきました。長い月日でありました。

繰上げ返済は一度も行っていません。確かに借金はなるべく早く返すが吉と考えていますが、それは利息が付く場合の話。私が借りた奨学金は無利息(いわゆる「第一種」)だったので、急ぐ必要は全くなく、当初のスケジュールどおりの返済となりました。

もし利息付きの奨学金だったら、繰上げ返済に勤しみ、投資は後回しになっていたことでしょう。「無利息」というのはとても大きかったです。

 

投資型の借金

学生時代、毎月の収入の一部として、実家からの仕送りがありました。しかし、家賃分程度の額だったので、奨学金がなければ、バイト三昧にならざるを得ず、きっと学業に大いに支障をきたしていたことでしょう。

ですので、大学を卒業し、公務員試験に合格し、望む職に就き、こうして完済するくらいの収入を得られるようになったのは、まさに奨学金のお蔭と言っても過言ではありません。

先日のEテレ「オイコノミア」で、「奨学金は投資型の借金」と説明されていましたが、言い得て妙だとしみじみ感じました。

 

連帯保証人と保証人

また、保管していた「返還のてびき」には、奨学金を借りるにあたり、父親に連帯保証人に、叔父に保証人に、それぞれなってもらったことをうかがわせるメモ書きが残っていました。「連帯保証人」は奨学生本人と連帯して返還の責任を負う人、「保証人」は、本人や連帯保証人が返還できなくなったときに責任を負う人のようです。

私自身、そのことをすっかり忘れていましたし、父や叔父もおそらく全く覚えていないでしょう。ただ、子や甥っ子とはいえ、「他人の借金返済に責任を持つ」ことについて、当時それなりの覚悟を決めてくれたはず。

今回の完済を機に、二人にお礼の電話をしておこうと思います。

 

投資総額は変更なし

ちなみに、浮くことになる毎月の返済額分は、当面、投資には回さずに、貯蓄しておく予定です。

今は内外の相場が好調過ぎる気がしており、このタイミングで投資総額を増やす気にはなれません。

 

残るはラスボス、住宅ローン

さあ、これで残る借金は住宅ローンのみになりました。最後にして最大の借金です。

私の場合、ローン金利が年0.98%(10年固定)と、減税の控除率1%を下回っており、かつ、既に「ローン残額<住宅ローン減税のローン対象額(2,000万円)」となっているので、今は事実上利息を支払っていない状況です。

また、住宅ローン減税がなくなる数年後のタイミングで一括返済することを目指しています。そうすれば、トータルでもほぼ無利息でお金を借りられたことになります(関連記事⇒それでも家を買いました 第5話「借金」)。

とはいえ、数年先のことなので、どんな相場環境になっているか皆目見当が付きません。その時に何が起こっていても、柔軟に対応できるよう万全の備えをしておきたいものです。

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つみたてNISAではコレを積み立てます(妻編)

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前回の「つみたてNISAではコレを積み立てます(自分編)」に引き続き、「妻編」です。

まず結論から申し上げれば、私の妻は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を積み立てることにしました。

と書くと、いかにも妻が能動的にこのファンドを選んだように見えますが、実際はそうではありません。

本記事は今回の選択に至るまでのお話です。

 

「妻」という人物

過去に本ブログで何度か触れたとおり、私の妻は投資や資産運用に全く興味がありません。

何を思ったのか、産休・育休中に突如、2級FP技能検定の勉強を始め、試験にも合格しましたが、それもずいぶん前のこと。AFP資格として登録することもなく、その権利も既に失効しました。

むしろ今では、資産運用の重要性など「おカネ」のことを説く私を、とても胡散臭そうに眺めています。

しかも「つみたてNISA」というコトバには悪い印象すら持っている様子。それは、制度の良し悪しの問題ではなく、私が日頃から子育て等を妻に任せきりにしておきながら、「つみたてNISAフェスティバル2017」や「つみたてNISA Meetup」に参加して妻の負担をさらに増やしてしまったからなのですが…。

資産運用よりも何よりも家族が大事であることを改めて心得ねばなりません。

 

妻の投資遍歴

そんな愛すべき妻ですが、私と同じく公務員として働いており、一定の収入があります。そのため、私が勧めるがままに、現行NISAの開始に合わせて、毎月の収入の一部を積立て投資に回しています。つまり、投資歴はもうすぐ丸4年になります。

積み立てているのは「世界経済インデックスファンド」。当時からバランスファンドの代表格でしたが、比較的シンプルで、リバランスの必要もないので、妻に最適だと判断しておススメしました。

以来、妻は完全なる「ほったらかし投資」を実践しており、SBI証券のウェブサイトにはほとんどと言っていいほどログインしていません。強いて挙げれば、「NISAの非課税枠が100万円から120万円に増えた際に毎月の積立額を変えるため、やむなくログイン」「年末などに資産状況をチェックしたい私に促され、やむなくログイン」というくらい。どれだけ含み益(損)があるかも全く気にしておらず、まさにインデックス投資家の鑑といえます。

 

つみたてNISAに移行するかどうかの判断

今回、つみたてNISAの登場に伴い、私などは「現行とつみたて、どっちにしようか?」と悩んだわけですが、妻は当然そんなことに関心はありません。そもそもつみたてNISAが自分に関係すると考えてもいないので、こちらから何も言わなければ、何も手続せず、「現行NISAの継続」となるだけ。

このため、つみたてNISAに移行するかどうか、私から投げかけてみました。両制度について「短く、分かりやすく」の説明を心掛けましたが、やはり難航。予備知識も関心もない人にNISAの仕組みを説明するのは難しいと改めて実感しました。

しかし、最後は何とか理解してもらい、妻は「じゃあ、自分もつみたてNISAにする」との判断を下すに至ったのでした。

 

で、何買う?

そして、更なる難関は「どのファンドを積み立てるか」。

いえ、そのまま「世界経済インデックスファンド」を積み立てることにすれば何の問題もありません。しかし、現に低コストで魅力的なファンドが続々と登場している中、今さら信託報酬0.54%のファンドを選ぶのもなあ…と、勝手に変な欲がわいてきます。

そうすると、本命はやはり「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」です。最近設定されたばかりという点、妻がオール株式のファンドを受け入れるかという点が気になるものの、20年という長い非課税期間を活かすためにも、なるべく期待リターンが高いものを選んでほしいと考えました。

また、年間の投資総額を維持するため、つみたてNISAの年間投資上限額40万円をはみ出る部分は、特定口座で積み立ててもらうことにしました。こちらでは低コストのバランスファンドである「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を推すことに。

そこで、「世界経済インデックスファンド」「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」のコストや基本組入比率について紙に書き、積み立てるファンドを変えてみないかと提案。

妻は私の「熱意」に半ば呆れたようでしたが、無事に了解してくれました。

結果、iDeCoも含めた妻の毎月の積立て内容は次のように変わります。

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結びに代えて

妻のつみたてNISAへの移行、そしてファンドの選定にあたっては、自分のとき以上に悩み、苦労しました。「妻のお金の使い方は妻が決めるべき」「でも資産運用は強く勧めたい」という葛藤の中、何とか夫婦で納得のいく結論を導くことができました。

まだ2か月ありますが、これで安心して来年1月を迎えることができそうです。めでたし、めでたし。

つみたてNISAではコレを積み立てます(自分編)

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先日、現行NISAからの勘定依頼変更書をSBI証券に送付しました。いよいよ来年から「つみたてNISA」を利用することになります。

さて、つみたてNISAで何を積み立てるか?

私は「たわらノーロード 先進国株式」にしようと思います。

このファンド、今のNISA口座でも積み立てているものです。

 

変わるのは「資産の置場」のみ

よくよく考えてみれば、私にとって、NISAからつみたてNISAに移行することは、それほど大きな「変化」ではないのです。

つみたてNISAができたからといって、「長期の資産形成」という大方針に何ら変わりはありません。このため、毎月積み立てるファンドや目標とするアセットアロケーションを変更する理由はないわけで。

そうすると、今回、ただ単に資産の置場=アセットロケーションが変わるに過ぎないということです(アセットアロケーションとアセットロケーション。一字違いですが、意味は異なります)。

 

今年⇒来年の変化

そこで、まず、私の現状を整理しておきます。

現在、NISA口座と特定口座で購入しているファンドは次の4本(新興国株式クラスについて、過去記事から密かに変遷あり)。

  • ニッセイTOPIXインデックスファンド
  • たわらノーロード 先進国株式
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
  • EXE-iグローバル中小型株式ファンド

さらに、iDeCoでは「DCニッセイ外国株式インデックス」を運用しています。

また、アセットアロケーションについては、今年4月、「国内株式:先進国株式:新興国株式=2:8:2」を目指すことを決めています(過去記事参照)。

ですので、来年以降も今と変わらず、この割合に収まるようファンドを地道に積み立てていくのみです。

図にすると、今年から来年への変化はこんなイメージです。

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これまで、NISAでは先進国株式クラスと国内株式クラスを積み立てていましたが、非課税枠が減ることに伴い、つみたてNISAでは、より高いリターンが見込まれる先進国株式クラス一本にします。

また、年間上限額である40万円までフルに投資するつもりなので、毎月の積立額は約33,333円となります。全体の投資額は変わりません。

 

でも気になるファンドもある…

なお、つみたてNISAの誕生に触発され(?)、今まで以上に魅力的なファンドが新規設定されているのもこれまた事実。

現在、私が気になって気になって仕方ないのは、この2本です。

  • 野村つみたて外国株投信・・・新興国を含む外国株式を主要投資対象としながら、年0.2052%の信託報酬を誇る!
  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド・・・「インデックス投資のリーサルウェポン」である「VT」(バンガード・トータル・ワールド・ストック ETF)が投資対象!

今は「一度決めた方針を貫こう」と保守的な結論に達しているわけですが、今後しばらくはこれらのファンドを横目でチラ見しながらの「つみたてNISA生活」になりそうです。未だフラフラしている私…。

最後に。私の妻も現行NISAからつみたてNISAに乗り換えることになりました。ということで、次回は「つみたてNISAではコレを積み立てます(妻編)」をリリース予定です。

インデックス投資は行動経済学上も理にかなっている!~「競争社会の歩き方」(大竹文雄著)を読了~

経済学者として幅広い活動をされている、大竹文雄氏の新刊を読みました。 

 

大竹先生の著作との出会いは、確か大学時代に「労働経済学入門」(日経文庫)を読んだのが初めてでした。役所に入った後は、中公新書の「経済学的思考のセンス」「競争と公平感」を拝読。

そして現在、ほぼ毎週、先生が出演しているEテレ「オイコノミア」を視聴しています。つまり私は大竹先生のちょっとした隠れファンなのです。

政府が行う制度の創設や改正は、人々の行動を大きく変えることになります。曲がりなりにも政策立案を行う者として、経済学をマスターすることはできずとも、その考え方は常に意識しておく必要があると思っています。そうした点で、大竹先生の本はどれも読みやすくてとても有益です。

 

損を嫌うがゆえに損をする

本書では投資に関する記載もあちこちで見られます。特に印象に残ったのは「損を嫌うがゆえに損をする」の一節です。

それによると、人は損を嫌うあまり、危険なことをしてでも、「参照点」にしがみつきたいという行動を起こしてしまうそうです。「参照点」とは、投資でいえば「株や投資信託の購入金額」のこと。

つまり、株価が大きく下落したとき、さらに下がる可能性が十分高いにもかかわらず、売却して損を確定するよりは、元に戻る可能性にかけてその株を保有し続けるという行動を取りがちであるということです。

このことは行動経済学で「損失回避」と呼ばれているそうです。

 

あのとき、何もしなかった私

この「損失回避」、私にも思い当たるコトがあります。それはリーマンショックが起こったときの自分の行動。

当時、国内外株式のETF保有していた私は、大きく値下がりしても「売ろう」とは全く思えず、そのまま何もしませんでした。なぜなら損を確定するのが嫌だったからです。

しかし、売らなかったのは結果的に大正解でした。そのままETF保有し続けたお蔭で、その後のV字回復を享受することができました(そのETFはその後、売ることになってしまいましたが…過去記事参照)。

 

分散投資×損失回避

このように、分散によるインデックス投資を行っている場合には、この「損失回避」が逆に良い方向に働くのだと思います。

すなわち、「長期的に見て世界経済全体は成長する」という前提の下、たとえ一時の暴落があったとしても、行動経済学のセオリーどおりに損を嫌って市場に居座り続けることで、力強い回復・値上がりの恩恵を受けることができるのです。いわゆる「稲妻の輝く瞬間」にも立ち会えるかもしれません。

まさに「損を嫌うがゆえに得をする」といえるでしょう。

一方、個別株の場合、一度大きく下落したものが再び値を戻す可能性ももちろんありますが、そうはならないかもしれません。このため、ときに損切りが必要な場面もあるわけですが、それは行動経済学上なかなか簡単にはできないことなのです。

 

これからも持ち続けよう

なお、長期分散投資を続けて行くためには、あらかじめ生活費1~2年分(人により様々)の生活防衛資金を確保しておくことや、投資総額を自らのリスク許容度の範囲内に収めておくことなども重要です。そうすれば、「泣く泣く損の確定を余儀なくされる」といったこともなく、市場に残り続けることが可能となります。

本書を読んで、インデックス投資行動経済学上も理にかなっている投資法だと理解しました。今後どんな暴落が起こったとしても、投資信託を持ち続けることにしよう。損するのは大嫌いだから。

職場で投資信託と出会う(つみたてNISA Meetup in 東京 に参加)

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金融庁が主催する個人投資家との意見交換会「つみたてNISA Meetup」(つみップ)に参加してきました。

テーマは「『職場つみたてNISA』の普及について」。

職域を通じて資産形成に関する理解が深められないか、「職場つみたてNISA」の普及について、ゲストをお招きし、みなさんと意見交換を行います。

個人投資家との意見交換会 : 金融庁

金融庁の担当者は今回の意見交換会のことを「作戦会議」と表現されていて、変わらぬ双方向のスタンスが嬉しかったです。

 

職場つみたてNISAの導入

まず、金融庁から、2018年1月のつみたてNISA開始に併せて「職場つみたてNISA」を導入する旨の説明がありました。

6,000万人いる雇用労働者に制度への関心を持ってもらうために職域を活用するという発想。「隗より始めよ」という格言どおり、まずは金融庁で始めるそうで、そのポイントは次の4点です(金融庁資料から抜粋)。

  1. つみたてNISAとiDeCoの情報提供 ⇒資産形成に関する多様なニーズに対応
  2. 金融・投資教育を実施可能な金融機関を募集 ⇒職場を通じ、金融・投資教育を展開
  3. 口座振替方式の採用 ⇒転勤時などの職員の利便性に配慮
  4. つみたてNISA(定額積立による投資信託の購入)が、法令・内規に抵触しない旨を改めて周知 ⇒適正な投資について、無用の懸念を払拭

 

その後、活発な質疑応答、意見交換へ。どの意見も回答もとても勉強になりましたがここでは割愛。

私は、「職場つみたてNISA」なのにiDeCoもセットで情報提供するの?と気になり、次のような質問をしました。

つみたてNISAとiDeCoをセットで情報提供することは良いことだと思うが、せっかく金融庁が「職場つみたてNISA」という普及のためのアイデアを出したのにiDeCoはフリーライドしているのでは?所管する厚生労働省はちゃんと汗をかいているのか?

イベントの趣旨からは少しズレた質問でしたが、金融庁、ゲストの一人である大江加代さんからそれぞれ丁寧にご回答いただきました(どうもありがとうございました)。

iDeCoも長期・積立投資に適した制度なので、一緒に情報提供することが重要。「職場つみたてNISA」を発表する際にiDeCoにも言及することは、厚生労働省にも話してあり、了解を得ている。一緒に仲良くやっている。(金融庁

自分はiDeCoのセミナーに出させていただいているが、厚生労働省担当者からは「つみたてNISA」の話もしてほしいと言われて、実際に紹介している。つまり、厚生労働省も逆に「つみたてNISA」の普及に一役買っている。(大江さん)   

 

確かに、先日の「つみたてNISAフェスティバル2017」では、「私が考える『つみたてNISA』と『iDeCo』の活用法」という素晴らしい企画があり、つみたてNISAだけでなくiDeCoの活用法もセットで考えるという内容になっていました。

また、今度、中央省庁職員を対象とした「霞が関iDeCoセミナー」が開催されるのですが(そして講師は大江加代さん!)、そこでもつみたてNISAの解説がなされると聞いています。

「今やこの2つの制度はセットでPRしていくべきものなのだ」と強く思った次第です。

 

職場つみたてNISAを投資信託との出会いの場に

「職場つみたてNISA」は成功するか、という点については、「金融機関側のメリットが少なく本気で取り組んでくれないのでは」等々、否定的な意見もあるようです。

「つみップ」からの帰りの道すがら、いろいろ考えたのですが、「職場つみたてNISA」に「ゲーム」という要素を採り入れてみてはどうでしょうか。

念頭にあるのは、(株)三菱UFJ国際投信が開催しているこの企画です。

これは、仮想資金100万円で、eMAXISシリーズのファンドを組み合わせてポートフォリオを作り、リスク当たりのリターンの大きさを競うコンテスト。個人戦とチーム戦があり、それぞれの上位者には賞金も出ます。

これと同じようなことを、「職場つみたてNISA」を導入した企業・官公庁でやってみるのです。その名も「つみたてNISAの達人」、主催者は金融庁です。

仮想通貨ではなく本当のお金が絡む話なので、初心者にはなかなか「ゲーム感覚」とはいかず、心理面での抵抗は強いかもしれません。しかし、毎月1,000円の投資くらいなら、職場内で結成したチームメンバー同士で上がっただの下がっただのと盛り上がれるのではないでしょうか。

このゲームへの参加は、投資信託というものと出会うことを意味します。

この日のゲストの野村亜紀子さん(野村資本市場研究所)によれば、米国では1980年代以降、401K(確定拠出年金)が投資信託との出会いの場になり、そこで米国人は経験値を積んでいったとのこと。それが今の米国における「株式・投信等の保有割合が高いこと」の要因の一つだそうです。

きっかけはゲームでも何でも良いのですが、「職場つみたてNISA」の場で投資信託に出会い、出会いが経験につながり、経験が成功体験に変わり、そのまま投資を続けるようになった…という流れになれば理想的ですね。

つみたてNISAとiDeCoの統合?

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またまた、つみたてNISAとiDeCoに関する話題です。

先日の「つみたてNISAフェスティバル2017」で興味深い一コマがありました。

具体的な内容は忘れてしまいましたが、およそ次のようなやり取りだったと記憶しています。

個人投資家:「将来的にはつみたてNISAとiDeCoを統合してほしい」

金融庁担当者:「iDeCoは年金なので、制度の趣旨が違う。統合は難しい」

 

統合、本当に難しいのでしょうか?

 

両制度の共通点

実際、つみたてNISAとiDeCoには多くの共通点があります。

  • 証券会社や銀行などの金融機関に口座を開設
  • 積み立て投資を通じて、長期の資産形成を促進
  • 運用益が非課税となる税制優遇

つみたてNISAとiDeCoは、ここ最近、様々な媒体でも「資産形成のための制度」として並列的に扱われており、「同じような制度なら一つになった方が分かりやすい」と考えるユーザーが出てくるのは当然です。

 

両制度の相違点

一方で、金融庁担当者がお話しされたように、「iDeCoは年金なので、制度の趣旨が違う」という説明も間違いではないと思います。

おそらく、ここでいう「年金」が意味するところは、「公的年金に上乗せすることで、高齢期により豊かな生活を送るための制度」ということでしょう。現にiDeCoの口座で積み立てた資産を引き出すことができるのは、原則60歳からとなっています。

つみたてNISAの方は、あくまで「長期」の資産形成を促す仕組みです。非課税期間は最長20年間であり、非課税期間の途中でも口座から引き出すことができます。

このため、つみたてNISAで築いた資産については、30代や40代で住宅購入資金や子どもの教育資金に充てることも可能です。iDeCoに比べると、その用途は広くて柔軟です。

このように、つみたてNISAとiDeCoはとても似ていますが、異なる活用方法が考えられるのです。「分かりやすさ」「シンプル」といったことを差し置いても、両制度が並立していることには十分意味があると思っています。

 

実現可能性は低い

また、仮に制度趣旨の違いに目をつぶったとしても、統合の実現可能性は低いと考えています。

いま現に走っている制度は途中で打ち切れない

まず、iDeCoは恒久的な措置として、つみたてNISAは投資可能期間20年間・非課税保有期間20年間の措置として、既にそれぞれ制度化されています。

それらを統合するとなると制度の中身がガラリと変わり得ます。その場合、各口座で清算が必要となりますが、そうした「繰上げ償還」のようなことを国家が行うのはなかなか難しいことです。国の信用にも関わります。

途中での打ち切りを避けるには、「現行のiDeCoとつみたてNISAを存置したままで、統合した新制度をスタートさせる」といった方法も考えられます。しかし、制度の数ばかりが増えるので、かえって混乱を招くだけでしょう。

省庁間の権限争い

次に、とても卑近な話ですが、統合しようとしても、つみたてNISAを所管する金融庁iDeCoを所管する厚生労働省との間で、おそらく調整がつきません。

霞が関への批判として「省益あって国益なし」というものがあります。最近は昔ほど酷くはないように思いますが、確かに省庁間の壁は厚くて高い。

幼稚園(文部科学省)と保育園(厚生労働省)が一元化できないのも、省庁間の権限争いがあり、さらにそのバックで様々な利害(そこで働いている人の処遇など)が絡み合っているからと言われています。

つみたてNISAとiDeCoの裏にはどんな利害があるのかは分かりませんが、残念ながら、省庁の垣根を超えた制度の統合は非現実的でしょう。 

 

現行iDeCoの手直しによって…

以上のように、つみたてNISAとiDeCoの統合は夢物語に終わりそうです。

ちなみに、私個人としては、今後、現行iDeCoには「手直し」が必要だと思っています。

それは、つみたてNISAがまさにそうしているように、iDeCoの運用商品に一定の基準を設け、監督官庁への届出制を導入するということです。

その基準は現行つみたてNISAよりもさらに厳しくてかまいません。もちろん元本確保型商品も認めません。

iDeCoにも「おせっかい」な規制を持ち込むことになりますが、万人が安心して老後に向けた資産形成を行えるようにするには、こうした規制はあって良いと思うのです。

そうすれば、つみたてNISAとiDeCoは「事実上統合した」と強弁できるようになるかも…。