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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

つみたてNISAとiDeCoの統合?

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またまた、つみたてNISAとiDeCoに関する話題です。

先日の「つみたてNISAフェスティバル2017」で興味深い一コマがありました。

具体的な内容は忘れてしまいましたが、およそ次のようなやり取りだったと記憶しています。

個人投資家:「将来的にはつみたてNISAとiDeCoを統合してほしい」

金融庁担当者:「iDeCoは年金なので、制度の趣旨が違う。統合は難しい」

 

統合、本当に難しいのでしょうか?

 

両制度の共通点

実際、つみたてNISAとiDeCoには多くの共通点があります。

  • 証券会社や銀行などの金融機関に口座を開設
  • 積み立て投資を通じて、長期の資産形成を促進
  • 運用益が非課税となる税制優遇

つみたてNISAとiDeCoは、ここ最近、様々な媒体でも「資産形成のための制度」として並列的に扱われており、「同じような制度なら一つになった方が分かりやすい」と考えるユーザーが出てくるのは当然です。

 

両制度の相違点

一方で、金融庁担当者がお話しされたように、「iDeCoは年金なので、制度の趣旨が違う」という説明も間違いではないと思います。

おそらく、ここでいう「年金」が意味するところは、「公的年金に上乗せすることで、高齢期により豊かな生活を送るための制度」ということでしょう。現にiDeCoの口座で積み立てた資産を引き出すことができるのは、原則60歳からとなっています。

つみたてNISAの方は、あくまで「長期」の資産形成を促す仕組みです。非課税期間は最長20年間であり、非課税期間の途中でも口座から引き出すことができます。

このため、つみたてNISAで築いた資産については、30代や40代で住宅購入資金や子どもの教育資金に充てることも可能です。iDeCoに比べると、その用途は広くて柔軟です。

このように、つみたてNISAとiDeCoはとても似ていますが、異なる活用方法が考えられるのです。「分かりやすさ」「シンプル」といったことを差し置いても、両制度が並立していることには十分意味があると思っています。

 

実現可能性は低い

また、仮に制度趣旨の違いに目をつぶったとしても、統合の実現可能性は低いと考えています。

いま現に走っている制度は途中で打ち切れない

まず、iDeCoは恒久的な措置として、つみたてNISAは投資可能期間20年間・非課税保有期間20年間の措置として、既にそれぞれ制度化されています。

それらを統合するとなると制度の中身がガラリと変わり得ます。その場合、各口座で清算が必要となりますが、そうした「繰上げ償還」のようなことを国家が行うのはなかなか難しいことです。国の信用にも関わります。

途中での打ち切りを避けるには、「現行のiDeCoとつみたてNISAを存置したままで、統合した新制度をスタートさせる」といった方法も考えられます。しかし、制度の数ばかりが増えるので、かえって混乱を招くだけでしょう。

省庁間の権限争い

次に、とても卑近な話ですが、統合しようとしても、つみたてNISAを所管する金融庁iDeCoを所管する厚生労働省との間で、おそらく調整がつきません。

霞が関への批判として「省益あって国益なし」というものがあります。最近は昔ほど酷くはないように思いますが、確かに省庁間の壁は厚くて高い。

幼稚園(文部科学省)と保育園(厚生労働省)が一元化できないのも、省庁間の権限争いがあり、さらにそのバックで様々な利害(そこで働いている人の処遇など)が絡み合っているからと言われています。

つみたてNISAとiDeCoの裏にはどんな利害があるのかは分かりませんが、残念ながら、省庁の垣根を超えた制度の統合は非現実的でしょう。 

 

現行iDeCoの手直しによって…

以上のように、つみたてNISAとiDeCoの統合は夢物語に終わりそうです。

ちなみに、私個人としては、今後、現行iDeCoには「手直し」が必要だと思っています。

それは、つみたてNISAがまさにそうしているように、iDeCoの運用商品に一定の基準を設け、監督官庁への届出制を導入するということです。

その基準は現行つみたてNISAよりもさらに厳しくてかまいません。もちろん元本確保型商品も認めません。

iDeCoにも「おせっかい」な規制を持ち込むことになりますが、万人が安心して老後に向けた資産形成を行えるようにするには、こうした規制はあって良いと思うのです。

そうすれば、つみたてNISAとiDeCoは「事実上統合した」と強弁できるようになるかも…。

iDeCo運用商品の選択肢が少ないことについて

10月7日未明、SBI証券iDeCo加入者サイトにログインして資産状況を確認しました。前回のログインは7月25日だったようなので、実に2か月半ぶりです。

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公務員である私は、今年1月からの加入者拡大に伴い、iDeCoでの運用を始めたばかり。

拠出金の累計額が84,000円ということは、7か月分拠出しているということですね。まだまだボリュームは小さいですが、長い目で資産を育てていきたいと思います。

 

iDeCoの運用商品の選択肢

さて、今回、久しぶりにiDeCo口座の状況を確認した際、改めて気になったことがあります。

それは「運用商品の選択肢が少ないよね」ということ。例えば、先進国株式クラスのインデックスファンドを選ぼうとする場合、SBI証券では次の3つしか選択肢がありません。

  • DCニッセイ外国株式インデックス
  • EXE-i先進国株式ファンド
  • DC外国株式インデックスファンド

ライバル楽天証券に至っては、なんと「たわらノーロード 先進国株式」の一択です。

これでは、より低コストの投資信託が登場しても乗り換えることができません。

iDeCoでは、「スイッチング」という方法により原則タダで保有商品を預け替えることができますので、なおさら選択肢の少なさが気になるというわけです。

 

35本の上限

そして今後、この「選択肢が少ない」という状況にさらに拍車がかかりそうです。

今年6月に公表された確定拠出年金の運用に関する専門委員会報告書では、「運用商品提供数の上限は35本とすることが適当」とされました。これは、運用商品の選択肢が多すぎるとかえって加入者が選びにくくなっているという実態を踏まえてのもので、いずれ法令改正によりこの上限ルールが適用されることになると思われます。

そうした制約がある中で、多様なアセットクラスの商品を揃えることと、同じベンチマークの動きに連動する投資信託を何本も用意することを両立させるは至難の業といえそうです。

おそらく、SBI証券でも、この先選択肢が増えることはないでしょう。とはいえ、今のところ「DCニッセイ外国株式インデックス」には何の不満もないので、このまま一途に積立を続けていこうと思います。

 

つみたてNISAの選択肢は豊富

なお、iDeCoの選択肢の少なさが気になるようになったのにはキッカケがあります。

先日、つみたてNISAの対象商品届出一覧が公表されたことです。

これによると、「MSCIコクサイ・インデックス」をベンチマークとする投資信託だけで対象商品は既に10本にものぼっています(平成29年10月5日時点。「為替ヘッジあり」のものは除外)。

つみたてNISAでは、対象商品について、上限の数を設けない代わりに、信託報酬の水準などで一定のスクリーニングをしています。それでも大方の予想に反し、豊富な選択肢が出そろっているのです。

中には「?」なモノもありますが、商品を吟味する身としてはとても嬉しい状況といえます。

そもそもは、商品数の上限を設けることも、商品に一定の基準を課すことも、ともに「何を買って良いか分からない」投資初心者に配慮したルールのはず。

どちらのアプローチが適当なのかは投資スタンスによって異なるでしょうが、少なくともインデックス投資家の視点から見れば、低コストファンドの選択肢が多いのに越したことはありません。

このように、つみたてNISAの制度設計は、投資初心者に優しいだけでなく、経験者にとってもありがたい結果をもたらしているように思います。

iDeCoとつみたてNISA、1つだけ人に勧めるならどっち

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SBI証券で「つみたてNISA」の予約受付を行いました。申込画面では口座番号などの簡単な情報をフォームに入力するだけで、あっさり完了。所要2~3分くらい。

今後は、10月中旬以降に「勘定変更依頼書」というものが送られてくるそうです。おそらくこれを送り返せば開設手続は終わり、ということなのでしょう。楽ちんであります。

 

さて、先日、投資経験ゼロの同僚から、「最近、『iDeCo』とか『つみたてNISA』とかいろいろあるけど、何からやればいいの?」と相談を受けました。

本音では「今すぐ2つ同時に始めるのが良い」と答えたいところです。しかし、手続の手間の制約やその同僚の性格上、まずは1つだけ勧めるのが得策と考えました。

であれば、iDeCoなのか、つみたてNISAなのか、どっちが良いでしょうか。私なりの考えを述べたいと思います。一部は実際に同僚に話した内容も含まれています。

 

私なら「つみたてNISA」を推す

iDeCoとつみたてNISAとのそれぞれの制度概要については、検索すれば比較表がたくさんヒットしますので、それらに譲るとして・・・

私なら「つみたてNISA」を推します。

所得控除の存在

まず、制度として「確実にお得ですよ」といえるのはiDeCoです。掛金が全額所得控除の対象となるというのは何せ大きい。

しかし、「所得控除」という仕組みの説明をするや否や、税制にあまり詳しくない人の拒否反応を招くかもしれません。実際はそれほど難しくないのですが…。

また、公務員の場合は年間14万4千円しか拠出することができませんので、節税できるのは3万円弱(所得税率+住民税率=10%の場合)。何が何でも享受しておくべきメリットとまでは言い切れないと考えます。

口座開設までの手続

この記事の執筆時点で、新規でSBI証券のつみたてNISA口座を開設する場合の手続手順は明らかとなっていません。しかし、過去の記事でも触れたとおり、iDeCo口座の開設手続はなかなか面倒でありました。つみたてNISAの手続がこの煩雑さを上回るとは考えにくい。

このため、手続に嫌気がさして同僚が途中でドロップアウトしないようにするためにも、つみたてNISAの口座開設に取り掛かってもらうのがベターと考えます。

「地雷」の数

この記事の執筆時点で、それぞれの制度下で購入することができる投資信託(取扱商品)の数をSBI証券の場合で比較すると、iDeCoは63件、つみたてNISAは71件でした。意外にも後者の方が選択肢は多いのです。

しかし、つみたてNISAは、投資信託の場合、「ノーロード(販売手数料ゼロ)」「信託報酬が一定以下」といった条件が課せられており、山崎元さんの表現を拝借すれば、比較的「地雷」は少ないと思います。

ですので、「一体何を買えば良いの?」と迷う同僚にあれこれ口を出さなくて済みそうです。私なら、次の最低限の「おススメ」だけ伝えて、後は自分で考えてもらうでしょう。

  • 「外国」とか「先進国」とか「全世界」という名前についている株式クラスの投資信託で、
  • 信託報酬が0.3%未満のものを買うべし

この助言は、我ながらとても乱暴で突き放したものだと思います。より丁寧なアドバイスをお求めの方には、NightWalkerさんの次の記事がとても参考になります。

 

なお、余談になりますが、記事の中でNightWalkerさんも「余談」として記されている以下の言及は私も全く同じ思いです。

今回の一覧を見ていて、唖然としたのは、予想されたことではあったにせよ、旧世代のインデックスファンドであるSMTシリーズや、旧eMAXISシリーズが、そのまま、ラインナップ上にあったことです。現時点で、信託報酬の値下げは、ないようです。

正直、ローコスト・インデックスファンドの時代の先鞭を付けた委託会社としての矜持というものを見せて欲しかったと思います。 

ムスコのための「つみたてNISA」商品研究 SBI証券編: NightWalker's Investment Blog

特に三菱UFJ国際投信…。狭い売り場で中身が全く同じ商品を違う価格で売るなんて、いったいどういう商いなのやら。

年間の投資額の上限

公務員の場合、iDeCoの年間の投資額の上限は、前述のとおり14万4千円です。一方、つみたてNISAは40万円。

どちらの制度も運用益が非課税になることを考えれば、つみたてNISAの方がよりお得なのは言うまでもありません。

ただ、のっけから年40万円まで投資を推奨できるかといえば、ケースバイケースになります。今回の同僚の場合、まずは月5,000円(年6万円)から始めてもらうのが良いと考えます。その際、「もしかすると、6万円が一時的に2~3万円くらいに減るかもよ」と伝えることも忘れません。

途中解約の可否

投資初心者にとっては、「途中で引き出せるかどうか」も大きな判断要素ではないでしょうか。

いくらiDeCoの「途中解約不可」という仕組みが「投資家想い」のものだとしても、「今後どんな場面でお金が必要になるか分からない」と考えている人にとってはやはり心理的ハードルは高い。

ただ、途中解約をできる限り避けた方が良いことは間違いありません。積み立てたファンドをしっかりホールドしておくことの重要性を説くとともに、拠出額は現状で無理のない範囲内に留めてもらうことが不可欠だと思います。

節約だ何だというのはその後から考えてもらえば十分でしょう。

 

手始めに、つみたてNISA

以上、ある特定のケースにおける私の実体験を基に、iDeCoとつみたてNISAの比較を行いました。

もちろん、相談相手の収入、年齢、性格、家族構成、投資経験値等の状況次第では、アドバイスはまた違ったものになると思います。その意味で、この記事の汎用性はあまり高くないといえます。

一方で、つみたてNISAは、長期・分散・積立・低コストというインデックス投資の王道から外れる方がむしろ難しい設計になっており、投資未経験者にはなじみやすい制度です。

なので、「手始めに」ということなら、私は基本的につみたてNISAをお勧めしていこうと思います。

まずは習うより慣れろ。そして、気持ちと家計に余裕ができてきたらiDeCoも利用してもらうのが一つの理想形です。

SBI証券で「毎日積立」が可能に!さて、私はどうする?

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SBI証券から「投信積立サービスの機能大幅拡充」の発表がありました。

拡充内容は大きく分けて3つあります。

  1. 毎日積立や毎週積立などが可能になる
  2. 「NISA枠ぎりぎり注文」と「課税枠シフト注文」が可能になる
  3. 投信積立銀行引落サービスで、自動引落金額を自由に設定できるようになる

このうち、私が特に嬉しいと思ったのは、1. の拡充です。

今まで、SBI証券の投信積立サービスでは、毎月設定コースしかありませんでした。
今回、多くのお客さまの「毎日積立ができるようにして欲しい」とのリクエストにお応えして、投信積立サービスに毎日設定コースを加えます!究極の時間分散投資である「毎日積立」をぜひご活用ください!
さらに、新たな投信積立サービスでは、コースを拡充。毎日、毎週、毎月など5コースのなかから自由に積立コースが選べるようになります。これにより、今まで以上にきめ細かく「時間分散投資ができるようになります!

ついに毎日積立が実現!SBI証券の投信積立サービスが機能大幅拡充!

 

究極の時間分散投資、キタコレ!

サービス開始は今年の10月中旬頃から!

・・・が、私の結論は「使わない」です。

 

「毎日積立」しない理由

それはなぜか。

山崎元さんが数々の媒体で「ドルコスト平均法は有利でも不利でもなく、投資家にとって気休めにしかならない」と指摘されていることや、「購入頻度でリターンに大差はない」とする検証結果を紹介した記事がNIKKEI STYLEに掲載されたことも確かに理由としてあります。

しかし、それ以上に、「なんか面倒だな」「かえって値動きに囚われそうだな」と思ったことが大きいです。

 

毎日積み立てるということは、こういうこと

まず、「毎日積立」を利用する場合、毎日の積立額は、たぶん、

  • 年間投資予定額 ÷ その年の営業日

で計算することになります。

営業日は、営業日数計算 - 高精度計算サイトですぐに分かります。これは検索でたまたま見つけたサイトですが、休日数を「土日祝」とか「銀行系」「行政機関」といったパターンで設定できるなど、痒い所に手が届いた機能が付いています。

毎日積立ができる日はおそらく「銀行系」でカウントした営業日。2018年では245日のようです。

そして、例えば、「つみたてNISA」の年間非課税限度額(40万円)いっぱいまで「たわらノーロード 先進国株式」を積み立てるとした場合、毎日の積立額は、40万円÷245日=約1,633円。この額を「買付額」として設定することになります。

さらに、今回拡充されるサービスである、「NISA枠ぎりぎり注文」か「課税枠シフト注文」を忘れずに併用。

「毎日積立」とは、つまりはこういう作業を経て行うことになるんだろうと思います。国内株式クラスや新興国株式クラスのファンドも積み立てる場合は、同様の作業を繰り返すのです。

そうしたことについて、私は、面倒だし、なんかチマチマしてるなあ、と考えてしまいます。あくまで私個人の受け止めです。でも、「ここまでやるかね?」という違和感に近いものがあります。

 

毎日毎日、気にしてしまうかも

また、毎日コツコツ積み立ててくれることで、かえって毎日の株価の動きを気にしてしまいそう。「今日は下がった。安く仕込めてラッキー」とか、「今日はすごく上がった。高値を掴んでしもうた」とか、これまでなら月1回あるかないかで済んでいた「心のざわつき」がほぼ毎日訪れることになるのです。

過ぎたるは猶及ばざるが如し、ということでしょう。ドルコスト平均法のメリットである「気休め」が「気休め」ではなくなってしまう気がします。

このように、ちょっとしたコトの積み重ねではありますが、「自分には毎日積立は向いてなさそうだ」という結論に達したのでした。

私にはいまの「毎月積立」で十分だと思います。

 

おまけ

ちなみに、実はこの記事を書き始めたとき、私は「毎日積立」を利用する気満々でおりました。

しかし、「毎日積立する理由」をあれこれ書こうとするうちに、自分なりの考えが整理されていき、結果、解が真逆になってしまいました。

頭の中でしっかり考えをまとめてから文字に落とし込んでいけば、こうした無駄も減るのでしょうが、どうも私には手を動かしながら思考を進めていく癖があります(自覚あり)。

こんな調子で、いつも記事を一本書くのにけっこう時間がかかっているのです。

毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資(吊ら男著)を読了

著名インデックス投資ブロガー、吊られた男(吊ら男)さんが、満を持して本を出されました。 

毎月10分のチェックで1000万増やす!  庶民のためのズボラ投資

毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資

 

 

既に多くのレビューがなされていますが、遅ればせながら私も感想などを書かせていただきます。

 

1. 吊ら男さんと私

吊ら男さんのブログ「吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)」は、よく読ませていただいている投資ブログの一つです。国内株式、先進国株式、新興国株式の3クラスで構成するアセットアロケーションを参考にさせていただくなど、いつも自分の投資スタイルに大きな影響を与え続けてくれています。

先日のインデックス投資ナイト2017で初めて「実物」を拝見し、2次会で名刺交換させていただきました。

今もなおこちらから一方的に存じ上げているだけの関係ではありますが、サラリーマンでありながら、プロのようにオープンな場で活躍される姿には、憧れと敬意を抱いています(自分には到底マネできません…)。

 

2. ネーミングの妙

本書では、長期・分散・低コストによる投資を「ズボラ投資」と呼んでいます。ズボラ…キャッチーでありながらたった一言でいろんな要素を言い表す絶妙なネーミングです。

ですが、ふと考えました。私なら何と名付けようか、と。オリジナルのネーミングを提唱したいぞ、と。

しかし、残念ながら、本質を突いた名前がぱっと頭に思い浮かぶほどのセンスは私にはありません。以下、甚だ僭越ながら、何とか捻り出したネーミングの数々をご紹介します。

  • 「ズボラ」や「ほったらかし」のように、「手間のかからなさ」という点に着目して名付けるなら、「お任せ投資」「時短投資」「のび太投資」など。最後のは、本書でたびたび「布団で寝ながら解説する人」の挿絵が登場することからヒントを得ました。
  • 「分散」を強調したいなら「ショットガン投資」。アメリカンフットボールのショットガンフォーメーションを参考にしました。が、先例がないか検索したら短期売買を繰り返す投資法としてヒットした…。
  • 市場の平均を目指すという切り口で「ど真ん中投資」。他には「どストライク投資」とか。
  • コツコツ感を醸し出して「ノコノコ投資」。マリオシリーズのあの亀のことですね。

・・・と、わざわざブログで開陳するほどの価値がない名前ばかりですが、これからも懲りずに考えていくつもりです。未経験者にとって抵抗があるかもしれない「投資」という言葉を使うかどうかも検討の対象です。

そうこうしているうちに、ある日突然ものすごいコピーが頭の中に舞い降りてくるかも…。

 

3. 本を一冊書くことのすごさ

吊ら男さんのブログには、複雑なシミュレーションを行ってインデックス投資の有用さを実証するなど、投資経験者にとって大変参考になる記事がたくさん掲載されています。

一方で、本書はどちらかといえば、経験者には基本的なことが大部分を占めています。

それらを分かりやすく整理してくれているので、私も改めて初心に立ち返ることができたのは言うまでもありませんが、ブログと本書とのギャップに接して私が思ったのは、「良い本を書く人は、その本の内容の何倍もの知識や考えをお持ちなのだなあ」ということ。

情報量やターゲットとする読者層などいろいろな戦略や方針や制約があって、ある一冊の本に収斂していくのだと思いますが、そのためには溢れんばかりのバックグラウンドが必要なのですね。

 

4. 本書のハイライト

ようやく本の中身についてですが、一言だけ。私が思う本書のハイライトは、「損」について分かりやすく、具体的に触れている点です。

投資に躊躇している人の多くは「損が怖い」という理由があると思いますが、その損のイメージを持つことができれば一歩踏み出せる人もいるはず。

本書は、リスク許容度(ソンの許容度)について詳しく記載されており、さらに、そこから「投資可能額」を計算できるようになっています。

「50万円投資した場合、最悪でも、短期的には30万円損するくらいだったらまあいっか」と具体的に考えることができれば、「投資を始める」という最大の壁を乗り越えることができると思うのです。

 

5. 投資初心者にはまず本書を薦める

これまでインデックス投資に関心を持っている人には、山崎元さん・水瀬ケンイチさんの共著「全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)」を勧めていました。

私の場合、少しインデックス投資をかじった後でこの本(改訂前のバージョン)を読んだのですが、そのときに初めて投資信託ETFの違いを知ったり、リバランスの考えを学んだりするなど、とても有益でした。

ただ、共著ということもあり、例えば、それぞれが推奨する生活防衛資金の水準に大きな開き(3か月分と2年分)があるなど、当時の私には「どっちなの?」と思うこともありました。

吊ら男さんの本書は、更に基礎的なことに特化されているので、今後、インデックス投資初心者にはまずこちらを勧めることになりそうです。

そして、その後、間髪入れずに「実践ガイド」である「ほったらかし投資術」を読んでもらえば、「黄金リレー」による基礎固めができるのではないかと思います。

国会対応・番外編

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先日の記事(↓)の「番外編」です。

細かすぎて当該記事では書けなかったことなどを3つにまとめました。

 

1. 最も時間がかかるのは総理用の答弁案

国会では、いわゆる政務三役(大臣、副大臣政務官)や政府参考人(局長、審議官などの役人)のほか、総理大臣も答弁することあります。場面としては、本会議や予算委員会などが主です。日中働いている方は観たことないと思いますが、NHKで生中継されることも多いです。

そして、国会答弁案を作成する際、ダントツに時間がかかるのが、総理用の答弁なのです。

理由の一つはいたってシンプルで、「完成までに多くの人がチェックするから」です。政務三役や政府参考人の答弁であればその省庁内で完結するわけですが、一国の総理が読み上げる答弁ともなると、省庁の外を出て、総理秘書官などの官邸スタッフもチェックすることになります。

全ての省庁の総理答弁案が官邸に集中することもあり、官邸のチェック待ちで1~2時間待ちぼうけ、ということもよくあります。

また、「練りに練り上げるから」という理由もあります。総理の答弁はニュースで取り上げられるなどその注目度はケタ違い。このため、答弁の基本スタンスはもちろん、細かな言い回しにまで非常に気が遣われます。

NHK中継があるときなどはなおさらです。テレビを観たり、ラジオを聴いている方、誰が聞いても理解できるような表現になるよう多くの人が腐心します(「それであのクオリティかよ!」というツッコミはご勘弁を)。

そうこうするうちに答弁案が完成するのはだいたい午前2時とか3時。ですので、いち公務員の立場としては「対総理大臣の質問が当たった」との連絡を受けたときは心底ガックリきます。自分が携わっている行政分野のことで総理が国会で議論するということは、とても光栄なことではあるのですが。

 

2. 野党議員の質問は、厳しい

国会議員には与党議員と野党議員がいるわけですが、どちらもバッターとして国会質問に立ちます。そして、どっちがより答弁案の作成に苦労するかと言えば、文句なく後者です。

与党議員の質問は、政府の取り組みを後押し・応援してくれるものが基本的です。トリッキーな質問も少なく、その準備は比較的容易です。

一方、野党議員のそれは、政府の政策の問題点を鋭く突いてきたり、不祥事を厳しく攻めてきたりするものが多く、対応にとても難儀します。

「これが健全な民主国家の姿だ!」と言われれば全くそのとおりであり、反論の余地はありません。それ以上に辛いのは、一部の野党議員が、あえて事前の質問通告を曖昧な内容にして、細かな質問内容を教えてくれないことです。

これには、手の内をすべて見せないことで、より政府への追及を厳しくするという戦略だと思われます。「基本的なことしか聞かないから、細かく通告しなくても答えられるはずだ」と、某議員に言われたことがあります。

確かに一理ありますが、曖昧な質問通告がなされたとき、各省庁は予想される質問(想定問)をたくさん立てて、それぞれにつき答弁案を準備しなくてはなりません。むろん、答弁者をでき得る限り支えるためです。このとき、想定問答集一式を作成するのに通常よりも多くの時間を要することになります。

にもかかわらず、せっかく用意した答弁案が使われず無駄に終わる「空振り」が、数あまた発生することは言うまでもありません。

このように、同じ国会の質問でも、それが与党議員のものか、野党議員のものかで、答弁案の作成に要する時間やプレッシャーは大きく異なってきます。

なお、「だから野党(特に民進党)はダメだ」ということを言いたいのではありません。自民党も野党時代はまったく同じことをやっていました。 

 

3. でも、いつも、みんな大変ってわけじゃないのよ

国会対応は確かに大変ですが、とはいえ、年がら年中、国会対応をしているわけではありません。

平成28年の国会会期は、実質的に通常国会(150日。国会法という法律で決まっている)+臨時国会(83日)の合計233日でした。平成27年臨時国会が開かれなかったものの、通常国会が大幅に延長されて245日間。その前の平成26年通常国会臨時国会で204日間です。

つまり、これらの期間以外は国会は開かれていないということ。当然、答弁案の作成を求められることもありません(閉会中でも、党の会議や個別の場に呼ばれ、議員に施策の説明をしたり議論したりするという意味での「国会対応」は普通にありますが)。

また、霞が関に勤務する国家公務員皆が皆、国会対応に明け暮れているということもありません。

質問がよく当たる課室・担当係はある程度限られていて、答弁案作成とは無縁の業務をしている人もそれなりにいます。私も何度かそうした課にいたことがありますが、「明日、国会で何を議論されるのか」ということを全く気にせずマイペースで仕事をしていました。

国会質問が当たらなくても十分忙しいときもありますが、プレッシャーが少ない、というのはありがたかったです。

 

臨時国会の冒頭で解散…だと?

ちょうどこの記事を投稿しようとした矢先、こんな報道が。

臨時国会の冒頭 衆院解散の見通し

安倍総理大臣が公明党の山口代表に対し、今月28日に召集する方針の臨時国会の会期中に、衆議院の解散・総選挙に踏み切ることを排除しないという考えを伝えていたことが関係者への取材でわかりました。安倍総理大臣は、今後、政府・与党の幹部の意見も聞き最終的な判断を固める方針で、内閣支持率の回復で早期の解散・総選挙を求める意見が強まっていることも踏まえ臨時国会の冒頭にも解散する方向で調整が進められるものと見られます。 

臨時国会の冒頭 衆院解散の見通し | NHKニュース

 「もうすぐ臨時国会か…」と覚悟を決めていましたが、ここにきて驚きのニュースです。

NHKがここまでハッキリ報じるということは、かなり確率が高いのではないかと思います。個人的な経験からいえば、これに読売新聞が続けば「ほぼ確定」という気がします。

衆議院が解散されると、選挙のため国会議員は皆さん地元に帰られます(参議院議員も応援のため永田町からいなくなる)。そうすると、霞が関は目の前の業務にコツコツ徹することしかやることはなくなり、比較的暇になります。「選挙が終わればまた忙しくなるから、今のうちに休んでおこう」と呼びかける上司も出てくるほど。

もし本当に衆議院が解散になれば、私も早めに帰宅して家族との時間を大切にしたいと思います。

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つみたてNISAを使うことに決めた(つみフェス2017に参加!)

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先日、「つみたてNISAフェスティバル2017」(以下「つみフェス」)に参加してきました。

つみフェスは、来年2018年1月からスタートする「つみたてNISA」に関する、個人投資家向けのイベントです。金融庁はこれまでも何度か個人投資家との意見交換会を開いてきましたが、今回が集大成の位置づけだったのではないでしょうか。

つみフェスの具体的な中身については、詳細で分かりやすいレポートが既に出されていますので、そちらに譲らせていただきます。

「つみたてNISAフェスティバル 2017」レポート。制度の普及に向けた金融庁の意気込みを見た。 (じゅん@さん)

「つみたてNISAフェスティバル2017」に参加。市場に残り続けることの重要性を再認識 : インデックス投資で長期航海 (柴崎シュンスケさん)

金融庁の「つみたてNISA」は、投資がはじめての人を資産形成に導く制度。 | 低コストの投資信託で資産形成 | LoLo Investors (なるたくさん)

 

で、私はと言えば、このイベントに参加して、「金融庁やるな!」と感じたこと、そして、「つみたてNISA」を使おうと決めたことを記したいと思います。

 

つみフェスは新しい発想の広報イベント

誰のためのイベントか

つみフェスは、その枕に「個人投資家のための」とあります。つまり、あくまで訴求対象は個人投資家であり、これから投資を始めようという人々ではありません。

つみフェスは確かに広報イベントには違いありませんが、一般の人々を集めて「つみたてNISA」を周知啓発するイベントではなかったのです。

実際のプログラムの内容も、投資や資産運用についてのある程度の知識がないと理解が難しいものでした。また、税制改正要望のベスト5を、著名な投資ブロガーである虫取り小僧さんから発表する形式とするなど、個人投資家を強く意識した構成となっていました。

投資初心者も経験者も一緒に集めるとなると、どうしても焦点がぼやけてしまい、双方にとって中途半端な内容となりかねません。そうした意味で、今回、つみフェスを個人投資家に特化したイベントとしたことは成功だったのではないかと思います。

金融庁の狙い

しかし、金融庁の真の狙いは「つみたてNISA」を広く一般、特に投資初心者に周知して裾野を広げていくことです。

そこで、イベントに参加した個人投資家が発信するブログやツイッターを通じて、「つみたてNISA」を世間に浸透させていこうとしたのではないかと思うのです。

当日、ツイッター上で「つみフェス2017」というハッシュタグがトレンド入りしました。「何だこれ?」とクリックした人も多いはずで、「つみたてNISA」という8文字が投資や資産形成に無関心な人の目にも留まったことは大きな意味があります。

このような金融庁の発想には(狙ったか偶然かはともかくとして)思わず「新しい…!」と唸ってしまいます。

ターゲットでありながら「興味・関心がない層」をどうやってイベント会場まで連れてくるのか、というのはとても難しい課題です。しかし、そうした層をイベントに集めることは潔く諦める。その代わり、個人投資家を起点として、SNSなどを通じてジワリジワリと「つみたてNISA」の普及を図っていく。

最初はサブリミナル効果を狙って、人々の潜在意識に植え付けるだけでも十分でしょう。金融庁の「次の一手」に注目したいです。

古典的なiDeCoのイベント

ちなみに、ライバル?であるiDeCoのイベントとしては、こんなものがあるようです。

iDeCoシンポジウム2017 ~老後のためにいま、できる、こと。 iDeCo ~

ターゲットは、年金も資産運用も投資もあまり知らない一般の方々で、典型的な「広報イベント」と思われます。ご当地の芸人やタレントを活用して多くの人に来てもらおうとしていますが、つみフェスと比べるとどうしても古典的な内容・構成に見えます。

これでうまく集客できているのか、「iDeCoの周知啓発」という目的が達成されているのか、実績が気になるところです。

 

私、「つみたてNISA」しまーす!

実は、今回のイベントに参加するまで、来年から「つみたてNISA」を使うことに迷いがありました。年間投資上限が40万円という点に物足りなさを感じていたのです。

しかし、当日、会場で配布・説明された次の資料が最後の決め手となり、現行NISAから「つみたてNISA」に鞍替えすることにしました。

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これは、あくまで過去の実績ではありますが、保有期間が20年に及ぶと投資収益率はプラスになっているというデータです。

つまり、「非課税期間満了後にマイナスになっていても損益通算できない」事態となる可能性が小さいということ。これはなかなかの安心感につながります。

もちろん「非課税期間の恒久化」が実現すれば、この問題は解決するわけです。

いま大切なのは、ブログやツイッターをしている個人投資家ができる限り声をあげ、金融庁と一緒になって「つみたてNISA」を普及させていくこと。念願の税制改正はきっとその先にあるのだと思います。