山崎元さんの記事「ローン返済か、インデックスファンド投資か、どちらが得か」が、私のTwitterタイムライン上で話題になっていました。
「どちらが得か」、この問いに対する記事要旨には私も賛成。
まず、山崎さんの格言「返済に勝る運用なし」を基本とし、そのうえで個別の事情に応じて最終判断するのが良いのでは、と考えます。
なぜなら、じゅん@さんの良記事(私が投資よりも住宅ローン返済を優先した理由)が喝破しているとおり、「借金の金利は確実に複利で増えるが、リスク資産への投資成果は不確実なもの」だからです。
確かにこの10年近くはリスク資産に投資すればするほど増える一方でした。でも、それはたまたま運が良かっただけかもしれません。
後から振り返ってどちらが得だったか白黒ハッキリしたとしても、それはただの結果論に過ぎないのです。
そもそもインデックス投資家がファンドの信託報酬にこだわるのは、それが”確実”にリターンを蝕むコストだからでしょう(ドヤァ!)。
とか偉そうなこと言いながら…
そう、ただの結果論に過ぎない…。一応、頭ではよく分かっているつもりです。
でも、実は「住宅ローン」と「投資」という2つの単語をセットで見るとモヤモヤします。
というのも、私にはほろ苦い経験があるのです。
2014年初頭、自宅(マンション)購入費の頭金に充てるため、運用中のETFとインデックスファンドをほぼすべて売りました。
ある程度の頭金は既に用意できていました。それでもなお、住宅ローンの金利負担をできる限り抑えることが目的でした。
結果として、借り入れた額は当時の住宅ローン控除の残高上限である2,000万円以下となりました。
住宅ローン控除額はローン残高の1%。私のローンの10年固定金利は0.980%。
つまり、負担する金利分以上に還付されるのです(もちろん今もその状態)。
これはこれで素晴らしいこと。お金を借りているのに逆に儲かるなんて夢のような世界です。
しかし、ETFやファンドを売ったタイミングは、ここ数年来続いている株価上昇局面のまさに序盤でした。日経平均株価は14,000円台だったと明確に覚えています。
手放したのは「上場インデックスファンド225」や「iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)」、そして「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」。さらに積み立てていたインデックスファンドを少々。
長らく保有していた資産たちで、リーマンショックで世界中の株価が低迷している際にはそれなりにまとまったお金を投入して仕込んだこともありました。
これらを売らずに持ち続けていたら今頃かなりの含み益になっていただろうな~。
今でもこの2wordsに心がざわつきます。
特に我が家の場合は共働きの公務員だったにもかかわらず、ちょっと保守的に構えすぎたか…と思うのです。ペアローンという方法もあったかもしれません。
でもまあしゃーない!
後悔先に立たず。仕方ありません。
当時は知識・経験が足りていませんでした。おかげで少し賢くなりました。
それに今後、リーマンショック以上の大暴落が起こって長期低迷することだって十分あり得ます。そしたら「2014年に売って良かったーーー!」(ブルゾンちえみ風)とすら思えたりして。
少なくとも、「借金に関して不確実なことがない」ということで心の安寧を得られています。
これは目には見えないことで、日々実感できるわけではありませんが、地味に大きいはず。
残る論点は、固定金利と住宅ローン控除が終わる2024年に一括返済して借金をゼロにするかどうか。我が家の2024年問題、まもなく決断の時が近づいています。
が、私の中でもう結論は出ている。
「返済に勝る運用なし」の格言に従い、一括返済するつもりです。
そのための原資もコツコツ準備しています。