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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

確定拠出年金の教科書(山崎元著)を読了

投資や資産運用、保険など、おカネのことに関する「重鎮of重鎮s」、山崎元氏の確定拠出年金本を読みました。 

確定拠出年金の教科書

確定拠出年金の教科書

 

 

私は、多くのインデックス投資家がそうであるように、山崎氏の切れ味鋭い語り口のファンであります。

本書でもその「刃」はやはり健在でした。「自己責任」というワードが常に付いて回る投資の世界において、「確定拠出年金の運用は『合理的』に一つに決まる」と断言されているあたりからして、清々しくてとても好みです。実際にも、運用商品の選び方、アセット・アロケーション、アセット・ロケーションなど各段階において、明快な「解」が述べられています。

一方、私にとっては、いろんな選択肢や考え方を示されるよりも、「これがベストだ!」と言い切ってくれることが、むしろ「本当にそうなのか?」と考えるきっかけになっています。そうした意味でも山崎節は自分に合っているのかなと考えています。

もちろん、この本で推奨されている数々の方法や原則は、すべて信じるに値するものです。何も考えずに確定拠出年金を始めたい人は、この本に書かれてあることをそのままそっくり真似ても良いと思います。

本の難易度としては、やや高めかもしれません。私くらいの中級者なりかけレベルが読んで、ようやく大部分を消化できる程度でしょうか。ただ、「教科書」との名を冠するとおり、じっくり確定拠出年金のことを勉強したい人にとっては、初心者であれ何であれ、これ以上の教材はありません。

惜しむらくは、入稿前日に確定拠出年金法改正案が成立したということもあり、必ずしも改正法の内容を踏まえた記載となっていない箇所がいくつか見られたこと。これはあくまで推測ですが、初めは旧法に基づいて執筆されていて、後から大きく内容を変えない範囲で新法の記載を書き足したような印象です。その点では、改訂版を心待ちにしたいと思います。

 

と書いていたら、山崎氏の新著の情報が飛び込んできました。 

こちらの本は、個人型(iDeCo)中心の内容とのこと。おそらく改正法をくまなく反映させているに違いありません。また、楽天証券を運用管理機関とした想定で解説されているということで、さらに実用的な内容と思われます。新書なので、入門書としても気軽に読めそうです。