先日、私が住むマンションの管理組合総会が開催され、出席してきました。
前期の事業報告・収支決算の承認、今期の事業計画・収支予算案の承認といった「毎年モノ」に加え、今年は修繕積立金の改定が重要議案の一つとなっていました。
実は、修繕積立金の改定が議題として提案されるのは2度目。
昨年は否決されてしまい、今年改めて提案されたのです。
で、今年は何とか可決されたわけですが、その経過などを綴ります。
1. 当初の計画
もともと、分譲中の新築マンションには、管理費とともに修繕積立金・修繕積立基金の額が示されています。
購入にあたっては、これらも考慮要素となりますが、私がマンションを買った際は、販売会社から今後の修繕積立金の推移見込みについても説明がありました。
修繕積立金の推移見込みはマンションの長期修繕計画とセットで作成されたもの。
これによれば、7年目、13年目、19年目、25年目にそれぞれ改定(値上げ)が行われ、最終的には当初の修繕積立金のおよそ2倍強となる計画でした。
2. 昨年、総会が紛糾
昨年の総会で提案されたのは、修繕積立金を1.7倍とする改定案。
購入当時の計画より値上げ幅が大きいものでした。
すかさず総会の運営を支援する管理会社から「物価や人件費が上昇し、大規模修繕工事に必要となる費用が増えたため」との説明がなされます。
しかし、この説明に納得しない住人から反対意見が相次ぐなど、議論は紛糾。
前方には、区分所有者で構成される管理組合の役員が並んで座っています。
しかし、彼らは管理会社と出席者のやり取りを見守るだけでほとんど発言せず。説明は管理会社に任せきりのようでした。
トドメは重要な資料の数字に誤りが見つかったこと。その場の空気を決定づけます。
修繕積立金の改定には「組合員総数の4分の3以上かつ議決権総数の4分の3以上の賛成」が必要であるところ、これに達せず否決となったのでした。
ちなみに、私は「いずれ値上げしなきゃいけないから」と賛成。
ただ、こんな状況では当面改定は難しいかもしれないな…と思いました。
3. 今年、リベンジマッチ
一年後、また総会の季節がやってきます。
今回は3か月ほど前に各戸に詳細な説明資料が配布され、かつ、事前に質問まで受け付けられました。
メンバー一新した理事会の強い意気込みが感じられます。
そして総会当日、提案された改定案は昨年と同じ1.7倍の値上げ幅。
しかし、改定案の内容やその必要性をとつとつと説明し始めたのは、なんと、管理会社ではなく管理組合の理事長でした。
このマンションに住んで8年ほどになりますが、正直あまり見かけないおじさん。50歳前後で、ちょっと関西訛り。
もちろん管理会社からときどき補足がなされます。それでも自分と同じ住民である理事長が自らの言葉で説明してくれたのはとても良かった。
締めの台詞はこんな感じでした。
「確かに修繕積立金が上がるのは私も嫌です。でも、数年後に大規模修繕が必要になるのは間違いなく、そのためのお金が足りないと困るので、理事会としては、今回改定した方が良いと判断しました」
修繕積立金の改定は、まさに住人の問題。管理会社があれこれ説明するよりも説得力がまったく違いました。
会場からは反対意見は一つも出ず、無事に修繕積立金改定案は可決されたのでした。
あの理事長、只者ではないな!
おまけ:理事になったお!
なお、今回の総会で、また管理組合の役員が変わり、私は理事に選任されました。
輪番で回ってきたのです。任期は一年。
「修繕積立金の改定」という懸案が片付いた直後でラッキー!
…と思う一方、管理会社によれば、数年後の大規模修繕に向けて、ぼちぼちと下準備を始めなければならないとのこと。
具体的に今期でどこまでやるか、何を次期に引き継ぐかは、今後、理事会で話し合うことになりそうです。
管理会社との付き合い方も気になっています。
今の管理会社はデベロッパーと同系列。マンション新築当初から変わっていません。
ただ、この2年間の修繕積立金改定をめぐるやり取りを見る限り、どうも自分たちの都合を押し付けようとする印象があります。
基本的に管理組合とは利益相反関係にあると考え、あまり説明を鵜呑みにしないようにしないと。
例えば、このマンションの長期修繕計画では、築後12年目に初回の大規模修繕工事を行うことになっています。
今回の修繕積立金改定もこれに備えたものですが、そもそも本当に12年目で工事が必要なのかは精査が必要です。
とは言っても、管理会社との関係が悪化しては元も子もありません。
大規模修繕工事は巨額のお金が動く話。
数年後の総会で再び議論になること必至なので、軟着陸に向けた第一歩にしたいと考えています。