あのベストセラー「ほったらかし投資術」が再び全面改訂されました。
2010年に出版されたオリジナル版は、私が初めて買った投資関連書。
当時はほとんど情報収集しないまま、何となく日経平均連動のETFを買っていたときでした。
オリジナル版を読むことで体系的な知識を得ることができ、以降のインデックス投資の羅針盤となりました。
全面的な全面改訂!
当然、2015年出版の「全面改訂 ほったらかし投資術」も読みました。
全面改訂の名にふさわしく、アップデートされた情報が満載。
これにより私のインデックス投資スタイルは完全に確立したのでした。
しかし、今回の全面改訂はもっと高いレベルの全面改訂。
もはや新作と言っても過言ではありません。
それほどまでに前作から内容が大きく変わっています。
ほったらかし投資の公式本
まず注目すべきは、共著のお二人の見解が一本化されたこと。
前作までは、山崎さんと水瀬さんそれぞれのお考えが併記されている箇所がいくつかありました。
それはそれで「インデックス投資にも様々な考えがある」ことが垣間見え、気が楽になりましたが、戸惑いがあったのも事実。
今作の主語は「著者たち」となっており、意見のすり合わせがしっかり行われています。
このため、初心者の方も迷いなくインデックス投資を学ぶことができるはずです。
ちなみに、1作目、2作目と愛読してきた身としては、「あ、ここは水瀬さんが譲ったな」とか「おや、山崎節が抑えられているぞ」などと勝手に想像しながら読みました。
なお、山崎さんが執筆したと思われる記述は少し難しく感じるかもしれません。
しかし、完全に理解できなくても問題なく、大体の雰囲気さえつかめれば十分だと思います。現に私がそうなのですから。
純度の高いほったらかし投資
そして、前作から決定的に進化したのが、インデックス投資の投資銘柄のファイナルアンサーが示されたこと。
前作までは、両著者がおすすめするインデックスファンドやETFが20本近く、その解説とともに紹介されたパートがありました。
私も血眼になって解説を読み、何を買おうか検討したものです。
それが、今作では大胆にもまるまるカット。
代わりに「もうこの1本だけ買えば大丈夫」と言い切っているのです。
そのファンドとはいったい何か!?…などと煽るのは野暮でしょう。わざわざ書くまでもありません。
しかし、この結論を共通見解とするまでは、お二人の間でそれなりに議論があったのではと推察します。
ともあれ、2015年の前作から投資環境が劇的に良くなったことには目を見張るばかり。
昨年、以下の記事を書きましたが、もう私のやり方はかなりのオールドスタイルになってしまったのね…。
本書最大の謎?
最後に一点だけ、本書で気になるところが。
いや、とても細かく、本質からも離れているのですが、90ページに運用会社の名前が列挙されています。全部で7社ほど。
そこに我らがニッセイアセットマネジメントの名前がない!なんでや!
実はニッセイ、業界全体の中ではマイナーな存在なのか…。
とはいえ、今も昔も「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」を積み立てている私。
触れずにはいられないのでありました。