最近ちょっと気になっているワード、FIRE(Financial Independence, Retire Early)。
今年7月の「インデックス投資ナイト2021 スピンオフ企画」でも、テーマの一つとして取り上げられました。
そんなFIREの第一人者とされる方が著したのが本書です。
煽り気味のタイトルに少し抵抗ありましたが、周回遅れながら、私も手に取ることにしました。
地に足ついた内容
実際に読んでみると、本書のタイトルや表紙デザインから伝わるイメージとはまったく異なっていました。
「これが唯一絶対の方法!」といった決め付けや押し付けなどはありません。
あくまで著者の経験に基づく「一つの成功事例」を紹介しているように感じられました。
特に以下の記載なんかは、非常に地に足のついた印象を受けました。
お金持ちになるカギは自分自身の個性を知り、自分の得意不得意を理解した上で、自分に最も合ったやり方を選ぶことです。(P294-295)
一方、著者が紹介する具体的手段(究極メソッド?)は、面倒くさがりの私には難しく感じられました。
シンプルな計算式もいくつか出てきますが、どうしても「ホンマかいな?」と割り切れない思いは残ります。
結局はまだ自分にはそんな勇気がないということなのでしょう。
でも、本書を読んだことで、FIREに関する基本的な考え方、知識がよく理解できました。
それらは、将来、来たるべきときに備えてポケットに忍ばせておこうと思います。
選べるようになりたい
本書で最も「我が意を得たり!」と思ったのは以下の部分です。
経済的に自立するということは、必ずしも嫌いな仕事を辞めて世界を旅することではありません。選択肢を持つということです。もし仕事を愛しているなら、ぜひその仕事を続けてください。FIREとは「Financial Independence, Retire Early(経済的自立、早期リタイア)」の略です。ただ、「RE」の部分はあなた次第です。好きな仕事を失ったり、うまくいかなかったときにあなたを守ってくれる鎧をつくるのは「FI」の部分だけです。(P271)
インデックス投資ナイトで登壇者が話していた内容とも一致します。
重要なのは「FI」の部分。
私自身、今の仕事を愛しているわけではありません。
でも、それなりに遣り甲斐を感じています。
これが単なる思い込みになっていないか、常に自問自答することが必要であるものの、当面は仕事を続けることになるでしょう。
今後、耐えがたい業務を命じられたとき、他にもっとやりたいことができたとき、自分の居場所がなくなったとき…。
そんなときに自分の好きな道を選べるようになりたい。
もちろん老後の資金作りという側面もありますが、私が資産運用を行っているのはそんな理由からです。
明日は選挙に行こう!
とはいえ、そんなすばらしいFIの状況に到達するのはまだまだ先のこと。
足下を見てみると、明日はいよいよ衆議院議員総選挙の投開票日です。
結果がどのようになったとしても、またしばらく忙しくなりそうです。