国があの手この手で取得を推進しているマイナンバーカード。
そんなマイナンバーカードが健康保険証としても利用できるようになります。
現在は一部の医療機関・薬局で実施されており、本年10月から本格的に運用が始まる予定です。
マイナンバーカードの保険証利用のメリット
そもそも、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付与すると、どんなメリットがあるのか?
厚生労働省ウェブサイトには、以下のQ&Aが出ています。
Q11.マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットは何ですか。
A11.転職・結婚・引越ししても、健康保険証の発行を待たずに、保険者での手続きが完了次第、マイナンバーカードで医療機関・薬局を利用できます。
また、マイナンバーカードを用いて、薬剤情報、特定健診情報、医療費通知情報を閲覧することができるようになります。薬剤情報と特定健診情報については、患者の同意を得たうえで医療関係者に提供し、より良い医療を受けることができるようになります。
うーむ、あまり魅力を感じない…。
アンサーで使われている用語も何か専門的で難しいし。
一方、こちらの資料は予算を使って作成したPR資料のようで、メリットも比較的わかりやすく書かれています。
この資料を読んで、私が注目するマイナンバーカードの健康保険証利用のメリットは次の2つです。
- 窓口での限度額以上の一時支払いの手続きが不要になります(P10)
- マイナポータルからe-Taxに連携し、確定申告が簡単になります(P13)
限度額適用認定証が不要に
まず一つ目。
前提として、公的医療保険の高額療養費制度を利用する場合、次の2つの方法があります。
- いったん病院の窓口で3割などの自己負担をしてから、後日、加入する保険に高額療養費を請求する方法(償還払い)
- 事前に加入する保険に限度額適用認定証を申請し、認定証を病院の窓口で提示することで、窓口では高額療養費支給分を加味した支払いで済ませる方法
医療費が多額に上る場合、高額療養費を利用しない手はありません。ただ、どちらも申請手続きが必要で面倒です。
マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、2.の限度額適用認定証がなくても、病院の窓口で余分な支払いをする必要がなくなります。
医療費控除を受けられやすく
次に、マイナンバーカードの健康保険証利用により、病院で支払った医療費情報をマイナポータルで管理できるようになります。
マイナポータルからe-Taxに連携できるので、医療費控除を受けるにあたり、医療費の領収書を管理しなくて良くなるのです。
この機能が利用できるのは令和3年分所得税の確定申告から。
ただ、e-Taxもマイナポータルも使い勝手があまり良くない気がします。
確定申告で実際に利用する際に、果たして便利なのか、メリットと言えるのかを見極めたいと思います。
今の私の状況では、来年の確定申告で医療費控除を受けることはなさそうだけど…。
申込み
マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、申込みが必要です。
私はマイナポータルから申し込みました。PCとICカードリーダーを使うことになり、少々手間がかかりました。
しかし、現在はセブン銀行ATMでも申込みができるようになっています。
マイナンバーカードと4桁の利用者証明用パスワードがあれば簡単に手続き可能。
所要時間はものの1~2分です。
申込みを行うのは生涯で1度きり。すぐには健康保険証利用を考えていなくても、手続きだけしておいて損はないと思います。
どうなる保険証利用?
マイナンバーカードの保険証利用登録件数は、 厚生労働省ウェブサイトによると、8月22日時点で5,060,873件。
ほとんど知られていないわりには意外に多い印象ですが、絶対数としてはまだまだ少ない。
このままコケてしまうんやろか…。
一方、総務省ウェブサイトによれば、2021年8月1日現在のマイナンバーカード交付枚数は45,631,741枚で、人口に対する交付枚数率は36.0%。
2020年4月1日時点では交付枚数率16.0%だったことを思えば、ようやくここまで来ました。
ただ、マイナンバーカードをまだ持っていない人にとって、今回の健康保険証機能の付与がカード所持の動機付けになるかというと、なかなか難しいかなあ。