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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

自分もクソダサい投資家だった~バカでも稼げる「米国株」高配当投資(バフェット太郎著)を読了~

バカでも稼げる 「米国株」高配当投資

バカでも稼げる 「米国株」高配当投資

  • 作者: バフェット太郎,はるたけめぐみ
  • 出版社/メーカー: ぱる出版
  • 発売日: 2018/04/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私は「全世界」に広く分散投資をしているインデックス投資家の端くれです。

一方で、現在、米国株投資が大人気。米国株の強みは私も認めるところですが、今後も宗旨替えをすることはありません

とはいえ、関心がないわけでもなく、本年7月のインデックス投資ナイトの企画(ブロガー対談 「米国株投資と国際分散投資、どっちがいいの?」)も思い出しつつ、本書を手にしました。

なお、著者であるバフェット太郎さんについては、Twitterをフォローしていませんし、ブログを読んだ記憶もありません。

でも、本書の著者紹介にもあるように、何となく「アンチが多い」という印象。一体どんなドギツいことが書かれてあるのかな…と恐る恐る本を読み進めたのでした。

 

「意外」にも共感すること多し

が、読後に抱いたのは、意外にも、と言ったら失礼ですが、「至極まっとうなことばかり!」といった前向きな感想でした。

確かに、一部にやや過激な表現が見られますし、バフェット太郎さんが本書で勧める「米国の超大型連続増配高配当株への均等分散投資」は、私が実践している投資とは大きく異なります。

しかし、バイ&ホールドやリスク許容度、積立て投資を重要視するあたり、基本的な手法や考え方はインデックス投資と同じと考えて良さそうです。実際に、著者は(米国株のインデックスに限るという意味の)狭義のインデックス投資を否定していません。

結局、最後に残るのは「投資の対象を米国に限るのか、全世界にするのか」といった論点なのでしょう。

 

クソダサかった過去の自分

バフェット太郎さんといえば、「クソダサい投資家」というパワーワードが有名です。これだけはさすがの私もTwitterのタイムラインで何度か目にしたことがあります。

一度聞いたら忘れられないこの表現、てっきり私には縁遠いものだと思っていました。しかし、本書を読んで「そういえば、自分もクソダサかったわ…」と思い出したことがあります。

それは「もう少し安くなったら買おう」という下心を出した結果、買う機会を逸した二度の経験。本書では、この類の失敗をする投資家のことを繰り返し「クソダサい」と罵って(?)いるのです。

どんな失敗だったかというと以下のとおり。いやホント、まったくもって恥ずかしい限りです。

 

リレー投資の躊躇

一度目の失敗は、まだETF保有していた数年前のこと。並行して積み立てていた投資信託がある程度まとまった額になったので、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)にリレーしようと思い立ちました。

リレー投資を行う場合は、投資信託を解約した日と同じ日に、生活防衛資金などから一時的に拝借して同額のETFを購入するのが理想的。まさに平行移動を実現させるわけです。

ですので、このときもそうすれば良かったのですが、そこにスケベ心が働きました。「最近、VTの価格が下落傾向だから」と購入をもう一日待つことにしたのです。

果たして翌日、VTの価格は反発。「あれれ。でも今になって買うのはもったいない。明日は下がるかもしれないし」と再び様子見を決め込んだものの、次の日もVTは値上がりします。

結局、そうこうしているうちに、VTへのリレー投資を実行できないまま、行く当てのない現金だけが残ってしまいました

当時のVTの価格は確か40ドル台。このときはたかが「ゼロコンマ数ドル」の値上がりを気にして投資を躊躇したわけですが、そんなVTも今は70ドルオーバーです。

 

解約返戻金を活用できず

二度目の失敗も数年前。当時、私は医療保険・死亡保険・がん保険に加入していました(関連記事⇒ 花の命はけっこう長い・・・保険の話(前編) )。

そんなある日、「保険は要らない」との境地に達し、これらすべての保険を解約することにしました。

そして死亡保険の解約返戻金として数十万円が銀行口座に振り込まれたのですが、このときも「このまとまったお金で投資しよう。相場が安くなったタイミングでね!」と下心が炸裂。挙句、そのまま投資の機会を逸してしまったのです。

その後のことはあまり覚えていません。おそらく、この解約返戻金はマンションの頭金あたりに消えたのだろうと思います。

もちろん、投資のタイミングを測って成功することもあるでしょう。しかし、それはあくまで結果論。ほとんどの人にとって、ナイストレードのタイミングなんて分かりっこないのです。
 

欲深い性格に打ち克つには

このように、私は一見超然としているように振る舞っていますが、実はとても欲深い人間です。

この性格は失敗を重ねても変えることは難しい。でも、失敗により「投資のタイミングを狙っても思うようにはならない」と悟りました。

その後は、意思を差し挟むことなく投資を行えるよう、基本的に自動的な買い付け以外でファンドを購入することはありません。もはや毎月何日にどんなファンドを買い付けているかも知らないくらいです。

なお、本書でも「一貫した投資ルールを設けるべし」「感情に流されず機械的に買うべし」と述べられています。インデックス投資ブロガーの中にも、例えば「月に1回、必ずファンドを買い付ける」という自分ルールを設定し、毎月その通りに実行している方が何名かいらっしゃいます。

一度決めたルールを愚直に遵守できるのは素晴らしいことで、これも良い方法だと思います。

 

今の自分はクソダサくない…のか!?

以上のとおり、本書を読んでの一番の収穫は、自分がいかに「クソダサかったか」を思い出させてくれたこと。「今後はもうクソダサい投資家にはならないぞ!」と、投資の自動化を貫徹することを改めて決意したのでした。

まあ、バフェット太郎さんに言わせれば、全世界を対象に投資している以上、私は今でも十分クソダサいのかもしれませんが…。