開店休業 インデックス投資Way

霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

低コストファンドへの乗り換えはしないぞ多分、という話

f:id:unicorn5:20180126002452j:plain

 

現在、私には、毎月積み立てているファンドとは別に、特定口座で保有し続けているファンドがいくつかあります。

これらファンドの中には、今となっては信託報酬が比較的高めのものも散見されます。「いったん売ってより低コストのファンドを買い直そうかしら」との考えが頭をよぎる今日のこの頃…。

しかし、今のところ乗り換えは行わないつもりであり、今の私の考えをまとめたいと思います。

 

兵どもが夢の跡

現在、保有している中で比較的高コストになってしまったと思うのは、次のファンドです(カッコ内は信託報酬(税込))。

  • 外国株式インデックスe(0.54%)
  • 日本株式インデックスe(0.3996%)
  • 野村インデックスファンド・新興国株式(0.648%)
  • eMAXIS 新興国株式インデックス(0.648%以内)

また、このうち、「野村インデックスファンド・新興国株式」「eMAXIS 新興国株式インデックス」には、0.3%の信託財産留保額も設定されています。

さて、これらのファンドは、どれも少し昔に一定期間積み立てていたもの。ここ数年の相場が好調だったことから、含み益は「なかなか」です。特に、インデックスeの両ファンドはどちらも70%オーバーの数字(2017年末時点)を叩き出しています。

しかし、インデックスファンドの信託報酬を巡っては、先進国株式クラス、国内株式クラス、新興国株式クラスすべて、0.1%台でしのぎを削っているのが現在の状況。

そんな中、これらのファンドの信託報酬水準は何とも時代に取り残された感が否めません。「外国株式インデックスe」に至っては、かつて「Fund of the Year 2011」で第1位に輝いたこともあったというのに…。

 

まずは外せない「税の繰り延べ効果」

それでも現時点では、より低コストのファンドに乗り換えることは考えていません。

この判断をするにあたって参考となったのは、じゅん@さんのブログ記事です(毎度ながら恐縮です)。

 

そこでは、「大きく利益が出ている状態ではこの程度の信託報酬差よりも『税の繰り延べ効果』の方が大きい」との示唆があります。

これはつまり、いま売却すると、上場株式等に係る譲渡所得等(譲渡益・値上り益)に税率20.315%の所得税・住民税がかかるのに対し、売らずに持っておけば、この値上り益まるまるについて複利の効果が及ぶということです。

なるほど。この効果は十分享受しておきたい。大きい雪だるまほど、転がせばさらに大きくなってゆくのです。

また、ファンド解約時のペナルティである信託財産留保額についても、支払いをなるべく先送りしたいところです。

 

意外にあなどれない、SBI証券の投信マイレージサービス

加えて、じゅん@さんはツイッターの中で、「SBIポイントが付いている」ことも乗り換えない理由として挙げてらっしゃいました

むむ、確かに。ポイントのことはノーマークになりがちですが、これも有力な理由です。

再び全面的追従で恐縮ながら、詳しく述べたいと思います。

投信マイレージサービスとは

SBI証券には、「投信マイレージサービス」という、対象ファンドの月間平均保有額に応じてSBIポイントが貯まるポイントプログラムがあります。貯まったSBIポイントは換金することも可能です。

そして、このサービスでは、ファンドの月間平均保有額だけでなく、その種類に応じてもポイント付与率が変わってくるのです。

f:id:unicorn5:20180123230311p:plain

SBI証券ウェブサイトより)

 

今回、乗り換えを迷っている4つのファンドについては、この表の「(A) 通常銘柄」に該当します。一方、私が現在積み立てている「たわらノーロード 先進国株式」や「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」は、比較的低コストという理由で、「(B) 当社指定銘柄Ⅰ」に分類されています。

つまり、ファンドの月間平均保有額次第では、ファンド間でSBIポイントの付与率に4倍以上もの差が生じるということです。この差は軽視できません。

なお、「月間平均保有額」は(A)+(B)+(C)+(D)の合計で見るため、この合計が1,000万円以上あれば、(A)のファンドについて、その保有額に0.2%のポイントが付与されるということになります。

残念ながら「SBIカード会員限定現金交換レート」は終了へ

ここに来てとても残念なのは、ポイントから換金する際のレートがまもなく改悪されるということです。

これまでは、SBIカード(クレジットカード)を利用していて、かつ、現金交換先に住信SBIネット銀行を指定すれば、現金交換レートが120%までアップするという優待がありました。10,000ポイントが12,000円になっていたのですよ!

しかし、SBIカードのサービスが2018年1月末をもって終了することに伴い、この優遇レートも2月25日限りに…。今後は、現金交換先に住信SBIネット銀行を指定して、やっとこさ85%のレートとなるに留まります。

非常に残念ですが、幸いにして、Tポイントであれば100%のレートで交換することが可能です。このため、より多くのポイントを獲得することにまだ十分意味があると考えています。

「(A) 通常銘柄」のファンドたちには、まだまだSBIポイントを稼いでもらいたいと思っています。

そういや、(C)や(D)の銘柄って何だ?

なお、上の表のうち、「(C) 当社指定銘柄Ⅱ」の場合はポイント付与率が0.03%とより低く、「(D) 当社指定銘柄Ⅲ」になればポイントはもはや付きません。一体どんなファンドがこれらに該当するのかというと、楽天バンガード」と「EXE-i つみたて」という新進気鋭の両シリーズです。

これらは文句のつけようがない「超低コスト」なので、ポイント付与率も世知辛く設定されているということなのでしょう。ちなみに、「eMAXIS Slim」シリーズは、今のところ何故か「(B) 当社指定銘柄Ⅰ」に留まってくれています。

(追記 2018.2.4)

eMAXIS Slim」シリーズのうち、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」については、1月30日付けで信託報酬が0.1095%に引き下げられたことに伴い、ポイント付与率0.03%の「(C) 当社指定銘柄Ⅱ」に変更となりました。そりゃそうだよね、というところでしょうか…。

 

結局は踏ん切りがつかないだけ 

以上が、比較的高コストのファンドでも保有し続けようと考える理由ですが、実は、これで気持ちがスッキリしているわけではありません。

というのも、より客観的に見てみようとアウターガイさんのツール「乗り換えコストチェッカー」を使ったところ、いずれも早々に乗り換えた方が有利との結果が出ました(前提条件の設定次第で多少結果は変動します)。

また、ファンドを売ることで譲渡所得が発生するため、当初、児童手当が「減額」されたり、保育料が上がったりするのではと思っていましたが、それは勘違いであると分かりました(こちらの記事です⇒ 株や投資信託を売却したら児童手当や保育料に影響するか?)。

このため、「ファンドを乗り換える」という選択肢を決して捨てきれていないのもまた事実なのです。

今は、駆け出しの頃から持ってるファンドへの「情」であったり、税金の支払いという損を被りたくないという「気分」であったりと、単なる感情の問題で踏ん切りがつかないだけなのだと思います。

そんな状況なので、ある日突然、ファンドの種類が多くなったマイポートフォリオに嫌気がさして売ってしまうかもしれません。

もしそうなれば、恥じらいながら本ブログで報告させていただきます。

 

【関連記事のご紹介】

「外国株式インデックスe」と「日本株式インデックスe」については、かつてNISA口座で積み立てを行っていましたが、昨年(2017年)、NISA口座内の分はすべて売却しました。

以下の2つの記事はそのときのお話です。