開店休業 インデックス投資Way

霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

特定口座で同額を買い戻す・・NISA口座の投資信託を一部売却(後編)

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前回の記事(⇒売却対象は指定できない・・NISA口座の投資信託を一部売却(前編))で、NISA口座のファンドの一部を売却したところまで書きました。

しかし、この話にはまだ続きがありました。

今回の一部売却は、利益確定が目的ではありません。確かに「非課税となる利益の確定」という意味は決して小さくないですが、あくまで長期投資の過程にある、一つのイレギュラーな出来事に過ぎないのです。

そんな考えのもと、一部売却と同時に、売却によって得た金額分のファンドを買い戻しました。

後編はファンド購入に関するあれこれのお話です。

 

売却と同時にリレー投資&リバランス

今回、NISA口座の「外国株式インデックスe」と「日本株式インデックスe」を売却する一方、同じ日に、同額相当のファンドを特定口座で買い付けました。

「同額」ではなく「同額相当」と書いたのは、投資信託の場合、いくらで売れるかは発注時には分からないためです。「だいたいこれくらいで売れるだろう」と予想した額で買付の同時発注を行いました。

さて、ここでのキーワードは「リレー投資」と「リバランス」です。

「なんちゃってリレー投資」で特定口座へ

まず、ファンドを売って、そのお金で再びファンドを買ったわけですが、これはさながら「リレー投資」のようでした。

「リレー投資」とは、積み立てたインデックスファンドが一定の規模になったタイミングで、一括売却し、売却で得られたお金でより低コストなETFを購入する、という方法です。

最近は、インデックスファンドの信託報酬がETF並みに下がってきたこともあり、この用語はめっきり聞かれなくなりました。今回私が行ったのも、本来の意味のリレー投資ではありません。NISA口座から特定口座へのリレーです。

ちなみに、売却と購入の同時発注を行った際、「全面改訂 ほったらかし投資術」(山崎元・水瀬ケンイチ著)で紹介されていた方法を参考にしました。それは、「生活防衛資金の現金を一時的に拝借して、インデックスファンドの売却と海外ETFの購入を同日のうちにやってしまう」というもの。

通常、売却資金が買付余力に反映されるのに数日かかるので、購入資金はすぐには手元に入りません。しかし、その間にファンドの基準価額が急騰したり急落したりといった「不測の事態」を避けるため、売却と同じ日に購入するのです。

私も、同日購入に必要なお金は生活防衛資金から流用しました。

買い戻すファンドはより低コストなものに

また、先ほどから、ファンドを「買い戻す」などと表現していますが、同じファンドを購入したわけではありません。

今回売却した「外国株式インデックスe」と「日本株式インデックスe」の信託報酬は、それぞれ0.54%と0.3996%。これらのファンドは数年前は低コストのトップランナーだったものの、それも昔の話です。

言わずもがな、今はもっと割安なファンドが数多くあります。

ということで、この2本の代わりに買ったのは、「たわらノーロード 先進国株式」と「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」。現在まさに私が積み立てている2本です。

この機に乗じてリバランス

さらに、これを機にリバランスを行いました。

すなわち、私が目指すアセットアロケーション「国内株式:先進国株式:新興国株式=2:8:2」に近付けるべく、国内株式クラスの購入額を売却額より少なめにしたり、新たに新興国株式クラス(eMAXIS Slim 新興国株式インデックス)を買い足したりしました。

一方で、先述のとおり、購入総額は売却総額と同程度に留めています。

リレー投資が「平行移動」を原則とするならば、これを機にリバランスを行うのは邪道だったかもしれませんが、私としては、こうした方法もアリだろうと考えています。

 

知らなかったもう一つの選択肢

実は、売却・購入を同時に発注してから気付いたことがあります。

それは、「ファンドをNISA口座から特定口座に移管する」という選択肢があったということです。

失念していた、というより、単なる無知でした。恥ずかしい…。

しかし、いろいろ考え、調べてみると、いずれにしても、次の理由から、売却・購入の道を選んだであろうと思われます。

  1. 外国株式インデックスeと日本株式インデックスeはもはや割高であるため、これを機により低コストのファンドに乗り換えられる。
  2. eMAXIS Slim 新興国株式インデックスも合わせて購入するなど、リバランスができる。
  3. 売却するファンドには信託財産留保額がない一方、新たに購入するファンドはノーロード(買付手数料なし)のため、売買にかかるコストはゼロ。デメリットもない。
  4. ファンドの移管を行うには、まずSBI証券カスタマーサービスセンターに連絡する必要があるらしく、手続が面倒そう。

 

ここまで到達しての雑感

今回、ファンドを売却して、すぐに買い戻して…と、インデックス投資家にしてはわりと忙しい思いをしました。そんな日々を通じて考えたことなどを最後に付け加えます。

SBI証券の「お問い合わせフォーム」はナイスなサービス!

前回記事(⇒売却対象は指定できない・・NISA口座の投資信託を一部売却(前編))のとおり、SBI証券の「お問い合わせフォーム」を利用したのはこれが初めてでしたが、おかげで極めて有益な情報が得られました。質問した翌日(しかも午前中)に回答が返ってきますし、その内容もすごく丁寧で分かりやすいものでした。

問い合わせる前になるべく自力で調べておくのが最低限のマナーだと思いますが、SBI証券サイドからすれば、そもそも私の質問も「ちょっとは自分の頭で考えなよ!」レベルだったかもしれません。それでも快く答えてくれて、とてもありがたかったです。

今後、あれこれ悩んで時間を消費するくらいなら、積極的にこのサービスを活用していこうと思っています。

まとまった額を売却・購入することのストレス

今回、およそ4年ぶりにファンドを売りました。そして、まとまった額のファンドを買ったのは、もういつ以来か覚えていないくらい久しぶりのことでした。

ですので、「注文発注」のボタンをクリックする際、「桁は合ってるよな」「そもそも『売却』で良かったっけ?」などと繰り返し確認する始末…。

いつもは無意識のうちに自動で積み立てているので、慣れていないだけと言えばそうなのですが、ただ「売って、同じ額を買う」だけのことにずいぶんストレスを感じました。

私のNISA口座の中には、まだ、2015年分の残りと、2016年・2017年分のファンドが置かれています。今後、再びこのストレスに向き合うことを覚悟しなければなりません。

売却タイミング問題

また、NISA口座の中にファンドが残っている限り、残りの非課税期間と損益の状況を「両睨み」していく必要があります。

普段はほぼ「ほったらかし」状態とは言え、これもなかなかのストレスになります。今後も、ある程度のプラスであれば非課税期間の満了を待たずに前のめりで売却していくことになるでしょう。

なお、このことは「つみたてNISA」でも同じことが言えます。非課税期間は20年と長いものの、「期限」があるのは現行NISAと同様です。

しかも、投資可能期間が平成30年から20年間続くので、最大で20回、つみたてNISA口座の中のファンドを売却or移管する機会が到来します。

しかし、それは20年も先のこと。今のうちから気にしても仕方ありません。

現行NISA口座を整理しさえすれば、当分の間、「ファンドを売る」ことについて頭を使う必要はなくなりそうです。