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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

それでも家を買いました 第4話「捻出」

ついに新築マンションの売買契約を締結した妻と私。代金の1割分を手付金として支払いましたが、残る代金は引き渡し時に全額支払う必要があります。どのくらい住宅ローンでお金を借りて、支払いのための資金を調達するかを考えねばなりません。 

これを逆から言えば、頭金をどこまで支払うか・支払えるかということ。もちろん、頭金が多ければ多いほど、住宅ローンの額は少なくなり、金利負担が減ったり、毎月の返済額が少なくなったりするので、一般的には生活に支障が出ない範囲でなるべく多くの頭金を準備できた方が良いハズです。

しかし、私の場合、この頭金の準備に関して、今も強く後悔していることがあります。

当時、私は、上場インデックスファンド225MSCI KOKUSAI(コクサイ)インデックス(TOK)、バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)の3本のETFと、日本株式インデックスe、外国株式インデックスeの2本の投資信託を持っていました。あろうことか、頭金を捻出するために、これらをすべて売却してしまったのです。

今から思えばこれは大失敗でした。数年前にインデックス投資を始めて以来、コツコツと形成してきた可愛い資産たちでしたが、当時はアベノミクスが昇り龍の勢いの頃。含み益は50%にもなり、トータルでは相当な額に積み上がっていたので、売却することで十分な額の頭金を確保しようと考えたのです。

一方、住宅ローン(提携先の住信SBIネット銀行)は、「10年固定」「金利0.98%」「元金均等返済」としました。これ自身は良い選択をしたと思っていますが、結局これが意味するところは、仮にこれらのETF投資信託のリターンを控えめに年2%と見たとしても、年0.98%の金利負担を避けるために、その倍以上のリターンが見込まれる資産を手放したということ。当時はそこまで考えが及ばず、無邪気にローン額を下げることだけに夢中だったのです。

実際に、その後もアベノミクスは絶好調で、株価は上がり、円安は進みました。そのままこれらの資産を保有し続けていれば、今頃は100%以上の評価益となっていたことでしょう。

スポーツと同様、資金調達の世界に「もしも」はありません。しかし、もしも当時の私にもう少し冷静な判断ができる知識と経験があったなら、保有していた資産をがっちりホールドすることで、もっと「トク」できたんじゃないかなあ…という気がしています。

そして、住宅ローンについては他にも考えなければならない論点があったのでした。(つづく)

【シリーズ過去記事】

それでも家を買いました 第1話「宿舎」

それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」