開店休業 インデックス投資Way

霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

「カーリング」と「投資」の意外な共通点

 

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本記事は、虫とり小僧さんの「「筋トレ」と「投資」の意外な共通点」という記事をヒントにしました。パクリ?いえ、オマージュというやつです。

私はカーリング観戦を趣味の一つにしているのですが、そのカーリングと投資との間に、ある共通点を見つけました。

それは、どちらも「途中で負けていても気にする必要はなく、とにかく最後に勝てば良い」ということ。以下、論じてみようと思います。

 

This is Curling!!

カーリングの基本的なことについては改めて語るまでもありません。

今年2月の平昌冬季五輪で「LS北見」が銅メダルを獲得、一躍国民的な人気を博すようになりました。

試合中のコミュニケーションで発せられた「そだねー」は、現時点で流行語大賞の最有力候補。まだサッカーW杯で超大型の流行語が現れる可能性も残っていますが、「ほぼ当確」と見て良いでしょう

私も、平昌五輪ではカーリングの日本チーム(男女とも)の快進撃に興奮・感動した一人です。

しかし同時に、私にはインデックス投資ブロガー業界内では古参のカーリングファンであるとの自負があります(詳細は後述)。この広い業界でも10本の指に入るでしょう。

 

カーリングと投資の共通点

カーリングには多くの魅力がありますが、その中でも特に面白いと感じることとして、「相手に一点を取らせる」という戦法があります。

 

相手に1点を取らせることの意味

カーリングでは、エンドの最後にストーンを投げられる後攻が圧倒的に有利だとされています。また、ルール上、前のエンドで点を取ったチームが次のエンドでは先攻になります。

このため、先攻時には後攻である相手に1点を取らせ、自らの後攻時には2点以上を取る、これがカーリングでの試合の進め方の常道です。

「10エンド終了時点でより点数が多い方のチームが勝ち」というゲームにおいて、1点を取らせるということは一見不利に思えます。しかし、この1点の犠牲を払うことで、次のエンドではその犠牲を上回る得点を狙いやすくなります

例えば、第8エンド終了時に4-4の同点で、第9エンドは自チーム先行という場合、「相手にあえて1点を取らせて4-5とし、後攻の最終エンドで2点取って6-5で勝つ」というゲームプランが描かれます*1

最終的に相手を上回るためには途中で点を与えることも厭わない、というわけです。こうした「肉を切らせて骨を断つ」の考えはカーリングの大きな魅力の一つです。

 

投資でも一時的な失点は甘受すべき

これ、何となく投資と通じるモノがあると思うのです。

世界全体で見た場合、株価は日々上がったり下がったりの繰り返しですが、長期的にはプラスのリターンを得ることが期待できます。

このため、私は、一時的に損が生じていても積立て・保有を継続し、最終的にプラスになっていれば良いという考えのもとでインデックス投資を行っています。

相場が落ち込んでいるときには、むしろファンドを安く仕込めるチャンスです。

つまり、投資においても、一時的な失点を甘受し、それでもコツコツと積立てを続けることが「最後に勝つ」*2ために重要だと思うのです。

 

まとめ

もちろん、一般的にどんなスポーツにも、一進一退の攻防を繰り返しながら最終的に勝つことを目指す、という側面はあります。

しかし、その中でもカーリングでは「一時的なビハインドをむしろ許容する」という点がユニークです。

「途中で負けていても気にする必要はなく、とにかく最後に勝てば良い」、まさにこの点に投資との共通点を見いだしたのでありました。

 

おまけ:カーリングと私

以下は、本文とは直接の関係はありません。カーリングファンとしての私の遍歴を勝手にまとめた自己満足系雑記です。

カーリングに興味のある方はこのまま読み進めていただければ幸いです。

 

長野五輪(1998)

最も古い私の記憶は、1998年の長野冬季五輪にまで遡ります。カーリングが正式種目になったのはこの大会からでした。

日本の男子カーリングチームは、準決勝進出を賭けてプレーオフの米国戦に臨みます。しかし、相手の絶妙なラストショットが決まり、日本は惜しくも敗退。

そのときの日本チームのスキップ、敦賀信人選手の涙は、当時10代だった自分の心に大きく響きました

 

ソルトレイクシティ五輪(2002)

ソルトレイクシティ五輪のカーリング代表チームのことは実はあまり覚えていません(要は長野五輪の熱がいったん冷めていた)。

しかし、特筆すべきは、この大会に出場した女子チーム「シムソンズ」が、同名の映画になっているということ。登場人物には実在するモデルもちゃんといて、主演は加藤ローサさん。青春映画としても面白く、とてもおススメです。 

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トリノ五輪(2006)、バンクーバー五輪(2010)

トリノバンクーバーの五輪では「チーム青森」が激戦の数々を繰り広げました。

特に、トリノ五輪カーリング大国・カナダに快勝した試合、バンクーバー五輪で英国相手にビッグエンドを作った試合は、日本のカーリング史に残る名勝負だと思います。

冬季五輪でカナダに勝つということは、サッカーW杯でブラジルに勝つようなものです。また、バンクーバー五輪の英国のスキップはイブ・ミュアヘッド選手。そう、平昌の銅メダルマッチでのラストショットが痛恨のミスとなった、あの選手です。

は亡き小林宏さんの名解説に大きく感銘を受けたのもこの頃のこと。もはや叶わぬ願いですが、できることならもう一度小林さんの解説を聴きながらカーリングを観戦したいものです。

 

ソチ五輪(2014)とその後

小笠原歩選手率いる「北海道銀行」が出場したソチ五輪。このあたりから、我が家のテレビでもBS放送が観られるようになりました。

BSでは、五輪ほど注目度が高くない日本選手権や世界選手権*3の試合なども放映されるため、私にとっては嬉しい環境が整いました。

そして平昌五輪での数々のドラマについては皆さんご存知のとおり。今に至ります。

カーリング1試合あたり3時間くらいかかるので、家族の視線は決して温かいとはいえませんが、これからもなるべく多くの大会を観戦したいと思っています。

今後の夢は、「カーリングの試合を生で観ること」と「実際にカーリングをプレーしてみること」。

北海道への出向話とか、来ないかな。ヤーップ!

*1:もちろん相手側としては、第9エンドで2点以上取る、またはブランクエンドにする(両チームとも点が入らない=次エンドでも先攻後攻は入れ替わらない)という展開を目指すことになります。

*2:この場合の「最後」とは何か。これを詰めて考えるには、いわゆる「出口戦略」に言及せねばなりません。しかし、現時点でオリジナルの意見を持ち合わせていないので、水瀬ケンイチさんの「お金は寝かせて増やしなさい」の第6章「貴重情報!インデックス投資の終わらせ方」に全面的に譲りたいと思います。

*3:実はLS北見は2016年の世界選手権で銀メダルを取っています。なので、平昌五輪の銅メダル獲得は確かに歴史的偉業でありますが、「奇跡」と表現するのには違和感があります。