開店休業 インデックス投資Way

霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

積み上がった位置づけ不明金をどう扱う?

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ひとつ前の記事で、今年7月時点の資産状況をチェックしました。

 

記事の中で、「生活防衛資金(だいたい1年分の生活費)を確保したうえで、それ以外は基本的にリスク資産に投資することで資産運用を行っています。」と書きました。

しかし、実はいま、生活防衛資金として確保している分を超えて、徐々に現金が積み上がってきています。その規模も無視できないくらいになりました。

 

ここ数年、投資総額に変化なし

原因は容易に思い当たります。

この3年間くらい、毎月の投資総額を増やすこともしなければ、スポット投資をすることもなかったからです。

現在のような上げ相場が続いているときに投資額を増やすことに、ある種の「もったいなさ」を感じてしまい、しばらく年間の投資総額は変えていません。ですので、毎月の給料が増えたとしても、ボーナスがいくらか余ったとしても、それらは預金に回っていくというわけです。

しかし、「生活防衛資金以外はリスク資産に投資する」という自分があらかじめ決めた方針から乖離が生じているというのは何とも気持ち良くありません。

そこで、この「余剰資金」ともいえる位置づけ不明確な現金を今後どう取り扱うべきか考えてみたいと思います。

 

今すぐ投資する?

まず考えられるのは、「すぐに使う予定のないまとまった額があるなら、その投資のタイミングは『今』である」というインデックス投資のセオリー(のようなもの?)に従うこと。つまり、明日にでも余剰資金全額を投資信託の購入に充ててしまうということです。

しかし、やはりどうも「今じゃない」気がしています。根拠は全くありません。今は投資額を増やす気分になれない、ただそれだけです。

強いて言うなら、前述のとおり、現在の世界全体の株価上昇局面において「何らかの投資判断をする」ということに二の足を踏んでいる、ということでしょうか。臆病者でケチなのです、私。

何も考えずにほぼ惰性で行っている毎月の積立買付なら、同じ上昇局面でも何の感情も湧かないのに…。人間の心理とは不思議なものです。

 

暴落を待つ?

次に、私の頭の中で、ある一つの欲望がもくもくと湧き上がります。

それは、暴落が起こった際に余剰資金で投資信託ETF(自分ならVT一本)をスポット買いしたい、という欲望。かつて経験した「日経平均7000円台」「ダウ平均6000ドル台」「1ドル=75円」などといった状況が再び目の前に訪れたときに、いっちょ仕掛けてみたい!ということです。

先日の「インデックス投資ナイト2017」の第三部でも、専門家の方々から「ボラティリティ(上下の振れ幅)が小さくなっていることは、暴落の前兆かもしれない」「相場が好調な状況が長らく続き、誰がこの『ダンス』を止めるのか、という雰囲気になっている」といった発言も聞かれました。遠くない将来にひょっとするのかも…。

 

しかし、この考えはもはやギャンブルと大差ありません。

暴落がいつやって来るか知る由もありませんし、そもそも暴落なんて来ないかもしれない。それをずーっと待っていては投資のチャンスを逃し続けることになりかねません。

そして、いざ暴落が起こったとしても、タイミング良く、まとまった現金を一気に投入できる度胸が自分にあるかどうか、非常に怪しいというもの。

そしてやはり何よりも、インデックス投資の王道・覇道から見れば間違いなく邪道・外道の考えです。私のような凡人が分不相応なことには本来手を出すべきではない、と肝に銘じておきたいものです。

 

ただ、そうは言っても、この欲望を完全に消し去ることはなかなか難しい…。

もし明日にでも大暴落が起こったら、きっとドキドキしながらスポット買いの機会を窺うことになるでしょう(人にもよると思いますが、インデックス投資をやっていると、大暴落がピンチではなくチャンスに思えてきます)。このとき大切なのは「その規模は火傷しない加減に留める」ということかもしれません。

 

そして穏当な結論へ…

というように、いろいろ逡巡しているわけなのですが、そこは曲がりなりにもインデックス投資家の端くれ。「今ある余剰資金は時間を分散させながら解消していこう」というのが、とりあえず辿り着いた結論です。

具体的に検討するのはこれからですが、例えば、毎月の積立投資額を少し増やしてみるとか、年末のノーセルリバランスの規模を大きくするとか、そういった考えです。

そもそも自らの平凡さを十分自覚し、「投資のタイミングなんて絶対に分かりっこない」ということを悟ったからこそ、私はインデックス投資という方法を採っているのです。

この本分を忘れることなく、地味に地道に資産運用を続けていくことが、自分にとって一番しっくりくるスタイルなんだと改めて認識したのでした。 

 

おまけ・あの最大の投資家も同じ悩みを抱えていた!

先日、GPIFが平成28年度運用状況を公表しましたが、ロイターの記事によれば、2017年3月末時点で短期資産が大きく積み上がっていることについて、高橋理事長から「先の予測が難しい環境下で、次の投資余力を増やすためキャッシュポジション(現金)が大きくなった」との説明がなされたとのこと。

「なんだ、自分と同じ状況じゃないか」と思ったのでありました。世界最大の機関投資家に極めて失礼な話ではありますが。