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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

今更ながらSBI証券の「投信積立銀行引落サービス」は便利だ

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最近、ブログのネタをあれこれと考えるあまり、投資そのものがすっかり疎かになっていました。曲がりなりにもこのブログの中心テーマは投資のはずなのに…。

しかし、「疎かになっていた」といっても、投資という行為を一切していなかったわけではありません。何もしなくても自動的に投資が行われるような設定にしていたため、ちゃんと毎月一定額の積立投資が続けられていたのです。

 

そのことに大きく貢献したのが「投信積立銀行引落サービス」です。

このサービス、インデックス投資家の多くの方にとっては、既に馴染み深いものだと思います。しかし、ここ数か月、ブログにかまけて証券会社のウェブサイトをまったく訪れていなかったにもかかわらずコツコツ投資されていたことに、私は改めて感動しました。

ですので、いくら今更感が強かろうとも、このサービスの素晴らしさについて紹介したいと思うのです。

なお、この記事は、私が実際に利用している「SBI証券の投信積立銀行引落サービス」についてのものです(他の証券会社にも同様のサービスがあります)。

 

1. どんなサービス?

SBI証券のサイトには次のように紹介されています。

投信積立の代金を、手数料無料でお客様ご指定の銀行口座から毎月自動的に引落して買付ができるサービスです。

証券総合口座へのご入金の手間を省き、ご設定いただいている月々の投信積立を滞りなく続けていただくことができます。

そう、このサービスのキモは、証券口座に手動で投資用の資金をいちいち入金しなくても、自動で銀行口座から一定額を引き落として、証券口座に入金してくれるということ。手数料はもちろん無料です。

このサービスにより、「証券口座が残高不足で今月は積立買付できなかった」とか「念のため多めに証券口座に入金したら、今度はメインバンクの残高が寂しくなった」という事態は回避できるようになります。

 

2. 引落額をあらかじめ設定する必要は、ない!

サービスの利用にあたり、銀行口座からの引落額を設定することにはなりません。

というのも、このサービスは「投資信託の自動積立買付」の設定と連動しており、あらかじめ設定してある積立買付の額の分だけが銀行口座から引き落とされることになっているのです。

つまり、例えば、毎月「ニッセイTOPIXインデックスファンド」を5万円分買い付ける設定にしていた場合、投信積立銀行引落サービスを利用すれば、事前に5万円ポッキリが銀行口座から引き落とされます。複数のファンドを買い付けることにしていれば、引き落とされるのはその合計額となります。

積立金額を頻繁に変える方にとっては、いちいち引落額を変更しなくても、ちゃんと連動してくれるので楽ちんですね。

(2018.5.7追記)

2017年10月から、投信積立設定金額に関わらず、自動引落金額を自由に設定できるようになりました。

このため、例えば、毎月5万円分の投資信託を買い付ける設定にしている場合、従来なら引落額も5万円になってしまいましたが、現在はこの5万円に加えて、自由に追加の引落額を設定することが可能です。

 

3. 引落・入金・買付の流れ

銀行口座から証券口座にどのようにお金が移動するのか。その流れを知らなくてもサービスの利用にそれほど支障は生じませんが、そこは自分のおカネのこと、知っておいて損はないと思います。

SBI証券のサイトに詳しく書かれてありますが、少し複雑なので自分なりに噛み砕いて説明してみます。説明にあたり、(1)引落請求日と引落日、(2)入金日、(3)買付日(申込日)の3つのフェーズに分けます。

(1)引落請求日と引落日

時系列でいえば、引落請求日→引落日の順となるのですが、便宜上まず「引落日」から触れることにします。

銀行口座からの引落日は、毎月14日か27日のいずれかから選びます。この2つの日に限定されているのは、単に「SBI証券がそう決めているから」というだけです(楽天証券の場合は7日か24日から選択)。

毎月の引落日を選ぶと、その10営業日前が「引落請求日」となります。この引落請求日をもって、引落日に銀行口座から引き落とされる金額が確定します。例えば、毎月「14日」を引落日に選んでいた場合、7月14日(引落日)に引き落とされる額は、6月29日(引落請求日)に確定します。

引落額と積立買付額は連動しているので、6月29日時点で設定している毎月の積立買付額が10万円であれば、引落請求額は10万円であり、7月14日に銀行口座から引き落とされるのも10万円ということになります。

この場合、6月30日から7月13日の間に積立買付額を変更したとしても、7月14日に引き落とされるのは、あくまで6月29日時点で設定している積立買付額分であることに注意が必要です(変更後の積立買付額は、7月27日(次回引落日である8月14日の10営業日前)の引落請求日から反映)。

(2)入金日

14日(例えば7月14日)に銀行口座から引き落とされた額は、同月末日(例えば7月31日)の「入金日」に証券口座に入金されます。

余談ながら、その間、16日のタイムラグがありますね。さて、この16日間、引き落とされたお金はいったいどこにあるのでしょう?

おそらく、SBI証券が自分の手元に置いて、安全な短期運用をしているのだと思われます。

一人ひとりの積立額は少なくても、サービス利用者の分を全部まとめると莫大な金額となります。

投信積立銀行引落サービスは手数料無料という極めてユーザーフレンドリーなサービスなのですが、SBI証券は、この16日間をうまく利用して、サービスの運用にかかるコスト分などを稼いでいるのではないかと勝手に想像しています。

(3)買付日(申込日)

投資信託の積立買付の日は、投信積立銀行引落サービスの「枠外」の話です。

つまり、投資信託の積立買付を行う場合には、「ファンド」や「積立金額」の他に「申込日」を設定することになっていますが、結局、投資信託がいつ買われるかは、この申込日次第ということになります。

投信積立銀行引落サービスの守備範囲はあくまで証券口座への入金までなのです。

このため、通常、投資信託の買付日(申込日)は入金日の「後」にしておくことが必要なのは言うまでもありません。

 

4. どうすればサービスを利用できる?

SBI証券の場合、ここにある「投信積立銀行引落サービスのお申し込み」というボタンをぽちっと押して、画面の指示に従っていけば簡単に利用することができます。 

サービスの利用開始当初は、念のため、少なくとも1か月分の積立投資資金を手動で証券口座に入金しておくことをおすすめします。

引落請求日、引落日、入金日のサイクルに慣れないうちは(まあ、サービスを利用し始めると後はほったらかしになるので慣れることは通常ないのですが)、買付日にまだ1回目の入金日が到来しておらず、結果として残高不足になってしまった…というケースが大いにあり得るためです。

 

5. おわりに

今回ご紹介した投信積立銀行引落サービスと、自動積立買付の設定を組み合わせれば、毎月のインデックス投資はものすごく楽ちんなものになります。

その単調さゆえ、ときに物足りなさを感じることもありますし、正直ブログネタにもなりにくいのですが、今回の私のように、投資への関心が薄れているようなときでも継続的に積み立ててくれるのはとても便利です。

まだこのサービスを使っていない方は、ぜひ一度試してみては如何でしょうか。