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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

それでも家を買いました 第6話「後祭」

前回、住宅ローンを組むにあたって、「物件引渡しは消費税増税の前か後か」「固定金利とするか変動金利とするか」という選択肢について触れましたが、そのほか、もう一つ隠された(?)論点があったのでした。

え…?「ペアローン」ってのがあるの?

それはマンションを買って数か月後のこと。同じく最近家を買ったという上司と話をしているときに、「君の家は共働きで相手も公務員なんでしょ?もちろん夫婦でローンを組んだよね?」と言われ、初めて「ペアローン」の存在を知ったのでした。

ペアローンとは、その名のとおり夫婦それぞれがお金を借りることをいいます。私は愚かにも「住宅」と「ローン」は1対1対応だと思っていたので、何ら迷いなく嬉々として一人でローンを組んだのでした。思い込みというのは恐ろしいものですが、私も妻も何故こんな基本的なことを知らなかったのでしょう…。

ペアローンの最大のメリットは、「夫と妻の両方で住宅ローン控除を受けることができる」ということに尽きます。つまり、消費税増税前に物件の引渡しを受けた我が家のケースでは、合計で最大400万円の減税となるということです。

そこで、妻も追加でローンを組むかどうか検討するわけですが、諸経費がかかるわりには減税メリットを最大限活かせないことがすぐに判明。結局、新たな借入れは行いませんでした。もし初めからペアローンの存在を知っていたら、おそらく頭金は低めに抑え、夫婦揃って借り入れることで、住宅ローン減税のメリットを存分に享受したことでしょう。

先達はあらまほしきことなり

多くの人にとって、住宅ローンを組むのは一生に一回あるかないかのはず。つまり、十分な経験を積んだ状態で多額のお金を借りることは通常ありえないわけで、その点で専門家の助言がとても重要となってくるように思います。

モデルルームなどで住宅ローン相談会も開催されていますが、我が家のケースに限って言えば、相談した信託銀行担当者はまったくアテになりませんでした。結局、自行のローンを売ることに精一杯だったのではないかと思います。マンション営業の方(名刺にはFPの資格ありとの記載)のおカネに関する専門性については言うに及ばず、であります。

いま思えば、フィナンシャルプランナーなどの有料相談を受ければ良かったのかもしれません。我が家の収入や資産額などを示したうえで、どのようなローンの組み方が最も有利かを尋ねれば、きっと有益なアドバイスを得られたに違いありません。

とはいえ、すべては後の祭りで後悔先に立たず。これまで酸いも甘いも様々な経験を6回にわたって住宅購入記としてしたためてきました。他に言い残すことはもうほとんどありませんが、最終回じゃないぞよ、もうちっとだけ続くんじゃ。(つづく)

【シリーズ過去記事】

それでも家を買いました 第1話「宿舎」

それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」

それでも家を買いました 第4話「捻出」

それでも家を買いました 第5話「借金」