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霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

それでも家を買いました 第5話「借金」

頭金を捻出するために、数年間ホールドしてきたETF投資信託を売却してしまった私。それでも家を買うには当然お金を借りる必要があるわけですが、住宅ローンには他にもいろいろ考えなければならないことがありました。

引渡しは消費税増税の前か後か、それが問題だ

まず、物件引渡しのタイミングの問題です。ちょうどその頃は、消費税増税を控えた時期でした。2014年3月までの物件引渡しの場合、マンション価格に適用される消費税は5%である一方、2014年4月以降の引渡しとなれば、8%の消費税が適用されることになっていました。

しかし、同時に、消費税増税に伴い、住宅ローン減税の控除額が大幅に拡充されることも決まっていました。具体的には、2014年4月から、控除となるローン対象額が従来の最大2,000万円から4,000万円へと一気に2倍となるというものです(=最大控除額が20万円×10年→40万円×10年)。

最大控除額というと分かりにくいですが、要は支払った税金が最大で400万円戻ってくる(減税される)わけです。なので、引渡し時期を4月以降として8%の消費税を負担する代わりに住宅ローン減税を最大400万円とするか、それとも3月中に引渡しを受けて消費税を5%に抑えつつ減税額は最大200万円に留めるか、という二択問題があったのでした。

私の結論は、後者でした。単純に計算すれば前者の方がおトクになったと思うのですが、住宅ローンの残額や今後の転勤の可能性*1から必ずしも400万円Maxの減税額になりそうになかったことがその理由です。

固定なのかい、変動なのかい、どっちなんだい!

次に、ローンを組むうえで最も大きな論点、「固定金利にするか変動金利にするか」かです。これについては、前回さらりと触れたとおり、年0.98%の「10年固定」にしました。

どのような金利で借金するかの基本は、乱暴に突き詰めれば、お金を借りている期間の金利が「その固定金利より高くなるか低くなるか」という予想の問題だと思っています。つまり、「高くなる」と思うなら固定金利にする、「低くなる」と思うなら変動金利にするということです。

そう考えると、「10年固定」は「初めの10年間は固定金利より高い金利となるが、10年後以降は固定金利より低い金利となる」と予想した人が選択するもの、ということになりますが、もちろんそんなことはありません。そういう意味では「10年固定」というのは「どっちつかず」な選択ともいえるでしょう。しかし、私の考えは次のようなものでした。

  1. まず、不確実なことが多いこの世の中、年0.98%という比較的低水準の金利で10年間は確定させる。年間の住宅ローン減税額はローン額の1%相当なので、控除の対象となるローン額(最大2000万円)についてはむしろ0.02%分プラスになる。
  2. そして、10年後、繰上げでローン全額を返済する。なお、これは、残念な捻出により頭金をたくさん出すことができたこと等、特殊事情が重なったことによる。
  3. もし10年後も金利が相当低いようであれば、繰上げ返済せずに、その分を運用に回すことも一考。ただし、(借換えしない限り)金利はもはや固定されておらず、急騰したときの対応を考えると、返済用資金を運用に充てるのはリスキーなので、基本は全額返済か。

自分のこの選択が果たして正しかったのか、今でも分からないままですが、以上が、当時短い時間の中であれこれ考えた結果だったのでした。 

そして、あともう一つ、住宅ローンを組むうえでの論点がありました。それは「ペアローンとするかどうか」なのですが、実は私がペアローンというものの存在に気付いたのはローンを組んだ後のことでした。(つづく)

【シリーズ過去記事】

それでも家を買いました 第1話「宿舎」

それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」

それでも家を買いました 第4話「捻出」

*1:その年に減税となるには当該物件に現に住んでいることが必要