開店休業 インデックス投資Way

霞が関で働く国家公務員が、資産運用・NISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)など、おカネについて綴ります。

それでも家を買いました 最終話

これまで6回にわたって書いてきました本シリーズも7回目の今回でいよいよ最終話です。

お気付きの方もいらっしゃると思いますが、毎回の副題は昨年の大河ドラマ真田丸」を意識して漢字二文字としてきました。ということで、当然ながら、同様に最終話の副題はありません。ただ、盛り上がりを見せた「真田丸」最終話とは異なり、こちらは「おまけ」の羅列であります(ともあれ、ネタが古くてすみません)。

 

意外な波及

頭金捻出のために、ETF投資信託を売却した結果(第4話参照)、思いも寄らない影響がありました。運用益により多額の所得があったとみなされ、「15,000円/月の児童手当が5,000円/月に減額される(特例給付となる)」「保育料が値上がりする」といった給付減・負担増が生じたのです。

普段は曲がりなりにも制度を企画立案する身である私ですが、率直なところ、やむを得ないとの思いが半分、「所得といっても頭金に消えるだけで、別に生活が豊かになるわけじゃないのになあ…」との思いが半分でした。

なお、余談ながら、このことは老後の投資信託売却時にも十分に気を付けなければならないことだと思いました。現在この国では、資産(ストック)が多い人と収入(フロー)が多い人がいる場合、後者のみについて、負担や保険料を増やしたり、給付を削減したりする仕組みとなっているからです。

現行制度を前提とすれば、老齢期には医療や介護の自己負担の割合、負担限度額などに影響することになります。マイナンバーカードの活用により、今後は資産課税といったものも本格化すると思われますが、それでも意識しておかなければ、「こんなハズじゃなかった」となるかもしれません。

 

株の売買タイミングはやっぱり分かりっこない

ETF投資信託の売却の話をもう一つ。当時、上場株式等の譲渡所得に係る軽減税率10%(復興特別所得税を除く)の特例措置が2013年12月末で廃止される(=20%になる)ことが決まっていたため、それまでに駆け込み売却をしようと思っていました。 しかし、「年末に向かうにつれ、軽減税率特例の廃止前にいったん利益確定する人が続出し、日経平均株価は下がるのではないか」と予測した私は、年末よりずっと前、11月中旬に「上場インデックスファンド225」を売却したのです。

しかし、アベノミクスは依然として絶好調。駆け込み売却の影響なんぞお構いなしに年末まで日経平均株価はガンガン上昇。さらに、年明けもずっと順調に上昇し、もはや10%の税金分もまったく関係のないくらい上がっていきました。

結果論であることは分かっていながらも、「もっと我慢して年末まで持っておけば…」「3月の引渡し時ギリギリまで持っておけば…」と後悔したことは言うまでもありません。それにしても、売買のベストタイミングは本当に分かりっこないんだな~ということが強く身に染みたのでした。

 

買った後に気付いたこと

いろんな局面でいくつか失敗はあったものの、今のマンションそのものにはとても満足しています。ただ、実際にそこでの生活をスタートさせて初めて気付くこともあるわけで、私の場合、引越後しばらくして分かったのは、「この地域はゴミ出しのマナーが悪い人が多く、ゴミ収集の行政サービスもイマイチだな…」ということでした。物件を探しているときはなかなかそこまで頭が回らないものですが、気になる人は平日・休日、朝・昼・晩と周辺を入念にリサーチする必要がありそうです。

とは言え、住宅購入というのは、あれだけ大きな買い物なのに、商品の何もかもが希望どおりということは稀であり、場所・広さ・間取り・駅からの距離・階数・用途地域デベロッパー・教育環境等々の条件のうち、予算との兼ね合いでいくつかは諦めなければならないのが通常です。結局のところ、最後は「勢い」がなければ成し遂げられないことなのだと思います。

 

最後に一言

我が家は公務員の共働きという、いわば「有利」な状況の下、住宅を購入しました。例えば「比較的収入が安定している」ということを背景に強気の判断をした場面もあるわけです。言わずもがな、私の体験や選択が、他の方々すべてに当てはまるとは限りませんので、ご留意いただければと思います。

…という一言を残して「それでも家を買いました」は完結となります。長い間、本シリーズをご愛読くださった方々、どうもありがとうございました。(完)

【シリーズ過去記事】

それでも家を買いました 第1話「宿舎」

それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」

それでも家を買いました 第4話「捻出」

それでも家を買いました 第5話「借金」

それでも家を買いました 第6話「後祭」

シン・アセットアロケーションを公開

今年2月、以下の2本の記事で保有ポートフォリオの「リスク」を確認しました。

その記事の中で、私は次のように記していました。

最後に。今回、リスクを確認すべく、あれこれ作業したり、いろんなブログを拝読したりするうちに、また目指すべきアセットアロケーションを設定し直そうかなと考え始めました。具体的には、もう少し新興国株式クラスの割合を増やすという、リスクを知ったうえでの「逆方向」をイメージしています。

新しいアセットアロケーションの姿については、既に頭に具体的なイメージを持っていて、積立額の調整も済んでいたのですが、「それでも家を買いました」シリーズ(未完結)などもありブログ上は放置状態でした。遅ればせながら、私の「目指すべきアセットアロケーション」を公表するのがこの記事の目的であります。

 

私はこのアセットアロケーションを目指して積み立てます

これまでは「国内株式:先進国株式:新興国株式=2:7:1」を目指していたのですが、現在はこのグラフの割合を目標としています。

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・・・前置きが長かったわりにはあまり見栄えが変わらないかもしれません。新興国株式の割合を増やし、その分、先進国株式の割合を減らしました。依然として、株式クラスのみのシンプルなアセットアロケーションとしています。

著名インデックス投資ブロガーの中では、吊られた男さんのアセットアロケーションに近いと言えるでしょうか(下の記事でも紹介されていますが、国内株式:先進国株式:新興国株式=3:4:3です)。

 

積み立てる投資信託はこれ

設定した上記アセットアロケーションを目指すべく、NISA、特定口座、iDeCoで次のファンドを積立購入していきます(変更なし)。

  • ニッセイTOPIXインデックスファンド
  • ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • 野村インデックスファンド・新興国株式
  • EXE-iグローバル中小型株式ファンド

アセットアロケーションに関しては、これまでふらふら考えが揺れ動き続けていました。今回の公開を機に、「向こう10年」はいじらない構えでインデックス投資をコツコツ続けていきたいと思います。

SBI証券のiDeCo口座開設、商品購入までのスケジュール実績

4月13日、ようやくiDeCoでの年金運用がスタートしました。ここに至るまでの道のりが意外に長かったので、これからiDeCoを始める方のご参考となるよう、経過を記しておきたいと思います(運営管理機関は「SBI証券」です)。

2016(平成28)年

<10月>

  • SBI証券個人型年金プランの「2017年1月からの加入対象者向け」資料請求を予約

<11月>

  • 中旬、SBI証券から「2017年1月からの加入対象者向け」資料が自宅に届く。「資料請求のご予約をされたお客様へのご案内」という紙に、「平成29年1月13日(当社必着)までにご返送いただくと、平成29年2月中旬にIDおよびパスワードを発送します。」との記載あり(ただし、後々よく読むと、「各種共済組合員・・・加入者の方のスケジュールは、国民年金基金連合会において調整中」と書かれてあった)。
  • 下旬、職場の総務担当に「第2号加入者に係る事業主の証明書(共済組合員用)」の記入を依頼

<12月>

  • 下旬、ようやく職場の総務担当から証明書が返ってくる。私が局内で初めての申込者だったことや、省内の処理マニュアルが未整備だったこともあり、時間を要した模様
  • 24日、加入申出書などの書類一式を投函。「掛金の納付方法」は「事業主払込」の「振込」を選択し、「毎月の掛金額」は「12,000円」とした。

2017(平成29)年

<1月>

  • 4日、SBI証券から「『SBI証券個人型年金プラン』返送書類を受領いたしました。」とのメールを受け取る。

<3月>

  • 13日、2か月以上音沙汰がなかったので、SBI証券のコールセンターに手続状況を問い合わせる。「手続は完了しており、週内か来週頭には書類が届く」旨の説明を受ける。
  • 16日、国民年金基金連合会から「個人型年金加入確認通知書」が届く。資格取得年月日は「平成29年1月4日」、掛金引落開始年月日は「同年3月27日」*1、初回引落金額は「24,000円(同年1月分から(2ヶ月分))」と書かれてある。
  • 17日、SBI証券から簡易書留にて「ID及び初期パスワードのお知らせ」が届く。
  • SBIベネフィット・システムズの「利用者サイト」にログインし、パスワードを変更するとともに、掛金の運用商品配分の設定を「スルガ確定拠出年金スーパー定期1年」100%から「DCニッセイ外国株式インデックス」100%に変更(配分変更*2)。これは4月12日の掛金拠出分より反映されるとのこと。 

<4月>

  • 13日*3、「DCニッセイ外国株式インデックス」を24,000円分(平成29年1・2月分)購入。
  • 14日、「利用者サイト」の表示が以下のようになる。まだ、この時点では、購入結果が反映されていない。損益が「‐3,111円」となっているのは、加入時手数料(2,777円)+口座管理手数料(167円)×2か月分*4

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  • 17日、「利用者サイト」の表示が以下のようになる(画像は4月18日時点のもの)。ようやく購入結果が反映された。「DCニッセイ外国株式インデックス」が少し値上がりし、手数料を除いた損益は+138円となる。

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あとがきに代えて

私の場合、「書類に不備があり返戻された」といった回り道がなかったにもかかわらず、かなり書類の投函から口座開設までに時間を要しました。ただ、私より3週間くらい後になって書類を出した妻の口座が、私と同時に開設されたことを考えると、たまたま当時の〆切日との関係でタイミングが悪かっただけなのかもしれません。

ご参考→【重要】お手続き書類の締切日の見直しのご案内SBI証券サイト)

それにしても、そこそこ投資に慣れている私でも、iDeCoの手続完了まで手間取ることになりました。いわんや(以下略)。

公的機関が絡むことで手続が複雑になったり遅くなったりしてハードルが上がってしまうのは残念なことですが、それでもやはりメリットは大きいので、多くの方に勧めたい制度であることに変わりはありません。

これからコツコツとiDeCoで「自分年金」を積み立てていきたいと思います。

*1:SBI証券 iDeCo 個人型年金プランに関する説明書」(2017年3月株式会社SBI証券)によると、「当月分の掛金は翌月26日(休日の場合は翌営業日。以下「掛金引落日」といいます。)に、加入者が指定した銀行口座または事業主の口座から掛金が引落されます」「なお、事業主払込の振込を選択した共済組合等の事業所は、給与支給日に連合会が定める指定口座に振込ます。この場合掛金は、原則1ヶ月遅れで収納します」とある。

*2:その意味はこちら(SBI証券サイト)をご参照。

*3:SBI証券 iDeCo 個人型年金プランに関する説明書」によれば、「掛金引落日の13営業日後に商品購入指図を行います」とあるので、3月27日の13営業日後がこの日となる。

*4:現在、SBI証券の新規加入キャンペーンにより、SBI証券への加入時手数料(1,080円)と毎月の口座管理手数料(324円/月)が無料となっている。

それでも家を買いました 第6話「後祭」

前回、住宅ローンを組むにあたって、「物件引渡しは消費税増税の前か後か」「固定金利とするか変動金利とするか」という選択肢について触れましたが、そのほか、もう一つ隠された(?)論点があったのでした。

え…?「ペアローン」ってのがあるの?

それはマンションを買って数か月後のこと。同じく最近家を買ったという上司と話をしているときに、「君の家は共働きで相手も公務員なんでしょ?もちろん夫婦でローンを組んだよね?」と言われ、初めて「ペアローン」の存在を知ったのでした。

ペアローンとは、その名のとおり夫婦それぞれがお金を借りることをいいます。私は愚かにも「住宅」と「ローン」は1対1対応だと思っていたので、何ら迷いなく嬉々として一人でローンを組んだのでした。思い込みというのは恐ろしいものですが、私も妻も何故こんな基本的なことを知らなかったのでしょう…。

ペアローンの最大のメリットは、「夫と妻の両方で住宅ローン控除を受けることができる」ということに尽きます。つまり、消費税増税前に物件の引渡しを受けた我が家のケースでは、合計で最大400万円の減税となるということです。

そこで、妻も追加でローンを組むかどうか検討するわけですが、諸経費がかかるわりには減税メリットを最大限活かせないことがすぐに判明。結局、新たな借入れは行いませんでした。もし初めからペアローンの存在を知っていたら、おそらく頭金は低めに抑え、夫婦揃って借り入れることで、住宅ローン減税のメリットを存分に享受したことでしょう。

先達はあらまほしきことなり

多くの人にとって、住宅ローンを組むのは一生に一回あるかないかのはず。つまり、十分な経験を積んだ状態で多額のお金を借りることは通常ありえないわけで、その点で専門家の助言がとても重要となってくるように思います。

モデルルームなどで住宅ローン相談会も開催されていますが、我が家のケースに限って言えば、相談した信託銀行担当者はまったくアテになりませんでした。結局、自行のローンを売ることに精一杯だったのではないかと思います。マンション営業の方(名刺にはFPの資格ありとの記載)のおカネに関する専門性については言うに及ばず、であります。

いま思えば、フィナンシャルプランナーなどの有料相談を受ければ良かったのかもしれません。我が家の収入や資産額などを示したうえで、どのようなローンの組み方が最も有利かを尋ねれば、きっと有益なアドバイスを得られたに違いありません。

とはいえ、すべては後の祭りで後悔先に立たず。これまで酸いも甘いも様々な経験を6回にわたって住宅購入記としてしたためてきました。他に言い残すことはもうほとんどありませんが、最終回じゃないぞよ、もうちっとだけ続くんじゃ。(つづく)

【シリーズ過去記事】

それでも家を買いました 第1話「宿舎」

それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」

それでも家を買いました 第4話「捻出」

それでも家を買いました 第5話「借金」

それでも家を買いました 第5話「借金」

頭金を捻出するために、数年間ホールドしてきたETF投資信託を売却してしまった私。それでも家を買うには当然お金を借りる必要があるわけですが、住宅ローンには他にもいろいろ考えなければならないことがありました。

引渡しは消費税増税の前か後か、それが問題だ

まず、物件引渡しのタイミングの問題です。ちょうどその頃は、消費税増税を控えた時期でした。2014年3月までの物件引渡しの場合、マンション価格に適用される消費税は5%である一方、2014年4月以降の引渡しとなれば、8%の消費税が適用されることになっていました。

しかし、同時に、消費税増税に伴い、住宅ローン減税の控除額が大幅に拡充されることも決まっていました。具体的には、2014年4月から、控除となるローン対象額が従来の最大2,000万円から4,000万円へと一気に2倍となるというものです(=最大控除額が20万円×10年→40万円×10年)。

最大控除額というと分かりにくいですが、要は支払った税金が最大で400万円戻ってくる(減税される)わけです。なので、引渡し時期を4月以降として8%の消費税を負担する代わりに住宅ローン減税を最大400万円とするか、それとも3月中に引渡しを受けて消費税を5%に抑えつつ減税額は最大200万円に留めるか、という二択問題があったのでした。

私の結論は、後者でした。単純に計算すれば前者の方がおトクになったと思うのですが、住宅ローンの残額や今後の転勤の可能性*1から必ずしも400万円Maxの減税額になりそうになかったことがその理由です。

固定なのかい、変動なのかい、どっちなんだい!

次に、ローンを組むうえで最も大きな論点、「固定金利にするか変動金利にするか」かです。これについては、前回さらりと触れたとおり、年0.98%の「10年固定」にしました。

どのような金利で借金するかの基本は、乱暴に突き詰めれば、お金を借りている期間の金利が「その固定金利より高くなるか低くなるか」という予想の問題だと思っています。つまり、「高くなる」と思うなら固定金利にする、「低くなる」と思うなら変動金利にするということです。

そう考えると、「10年固定」は「初めの10年間は固定金利より高い金利となるが、10年後以降は固定金利より低い金利となる」と予想した人が選択するもの、ということになりますが、もちろんそんなことはありません。そういう意味では「10年固定」というのは「どっちつかず」な選択ともいえるでしょう。しかし、私の考えは次のようなものでした。

  1. まず、不確実なことが多いこの世の中、年0.98%という比較的低水準の金利で10年間は確定させる。年間の住宅ローン減税額はローン額の1%相当なので、控除の対象となるローン額(最大2000万円)についてはむしろ0.02%分プラスになる。
  2. そして、10年後、繰上げでローン全額を返済する。なお、これは、残念な捻出により頭金をたくさん出すことができたこと等、特殊事情が重なったことによる。
  3. もし10年後も金利が相当低いようであれば、繰上げ返済せずに、その分を運用に回すことも一考。ただし、(借換えしない限り)金利はもはや固定されておらず、急騰したときの対応を考えると、返済用資金を運用に充てるのはリスキーなので、基本は全額返済か。

自分のこの選択が果たして正しかったのか、今でも分からないままですが、以上が、当時短い時間の中であれこれ考えた結果だったのでした。 

そして、あともう一つ、住宅ローンを組むうえでの論点がありました。それは「ペアローンとするかどうか」なのですが、実は私がペアローンというものの存在に気付いたのはローンを組んだ後のことでした。(つづく)

【シリーズ過去記事】

それでも家を買いました 第1話「宿舎」

それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」

それでも家を買いました 第4話「捻出」

*1:その年に減税となるには当該物件に現に住んでいることが必要

それでも家を買いました 第4話「捻出」

ついに新築マンションの売買契約を締結した妻と私。代金の1割分を手付金として支払いましたが、残る代金は引き渡し時に全額支払う必要があります。どのくらい住宅ローンでお金を借りて、支払いのための資金を調達するかを考えねばなりません。 

これを逆から言えば、頭金をどこまで支払うか・支払えるかということ。もちろん、頭金が多ければ多いほど、住宅ローンの額は少なくなり、金利負担が減ったり、毎月の返済額が少なくなったりするので、一般的には生活に支障が出ない範囲でなるべく多くの頭金を準備できた方が良いハズです。

しかし、私の場合、この頭金の準備に関して、今も強く後悔していることがあります。

当時、私は、上場インデックスファンド225MSCI KOKUSAI(コクサイ)インデックス(TOK)、バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)の3本のETFと、日本株式インデックスe、外国株式インデックスeの2本の投資信託を持っていました。あろうことか、頭金を捻出するために、これらをすべて売却してしまったのです。

今から思えばこれは大失敗でした。数年前にインデックス投資を始めて以来、コツコツと形成してきた可愛い資産たちでしたが、当時はアベノミクスが昇り龍の勢いの頃。含み益は50%にもなり、トータルでは相当な額に積み上がっていたので、売却することで十分な額の頭金を確保しようと考えたのです。

一方、住宅ローン(提携先の住信SBIネット銀行)は、「10年固定」「金利0.98%」「元金均等返済」としました。これ自身は良い選択をしたと思っていますが、結局これが意味するところは、仮にこれらのETF投資信託のリターンを控えめに年2%と見たとしても、年0.98%の金利負担を避けるために、その倍以上のリターンが見込まれる資産を手放したということ。当時はそこまで考えが及ばず、無邪気にローン額を下げることだけに夢中だったのです。

実際に、その後もアベノミクスは絶好調で、株価は上がり、円安は進みました。そのままこれらの資産を保有し続けていれば、今頃は100%以上の評価益となっていたことでしょう。

スポーツと同様、資金調達の世界に「もしも」はありません。しかし、もしも当時の私にもう少し冷静な判断ができる知識と経験があったなら、保有していた資産をがっちりホールドすることで、もっと「トク」できたんじゃないかなあ…という気がしています。

そして、住宅ローンについては他にも考えなければならない論点があったのでした。(つづく)

【シリーズ過去記事】

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それでも家を買いました 第2話「中古」

それでも家を買いました 第3話「急転」

ズボラな人のための確定拠出年金入門(井戸美枝著)を読了

社会保険労務士で、厚生労働省社会保障審議会企業年金部会の委員もされている井戸美枝氏の確定拠出年金入門書を読みました。 

ズボラな人のための確定拠出年金入門

ズボラな人のための確定拠出年金入門

 

本書は19の「素朴な疑問」に答える形で、確定拠出年金のことが分かりやすく解説されています。細かい点は大胆に省かれていて(特に企業型)、確定拠出年金のエッセンスを手軽に習得できる点で、ド素人向けの超入門書としてオススメです。

「素朴な疑問」の1つ目は「そもそも年金ってどんな仕組みになってるんですか?」、2つ目は「日本の年金って本当に『危ない』んですか?」となっています。年金に対する不信感が根強い中、誤解されている部分・制度として脆弱な部分をしっかり解説してから、本題である確定拠出年金の話に移るという是々非々のスタンスには好感が持てました。

また、「巻末付録」として、「働き方別・老後リスク&最適ポートフォリオ集」が掲載されています。「やらなきゃいけないのは頭で分かったが、どうしていいか全く分からん」という初心者は、まずはこれを参考にして良いと思います。

なお、この中で、「公務員共働き夫婦」が「老後の生活リスクが最も低い」とされており、「国内外株式100%インデックスファンド組み合わせ」というポートフォリオが推奨されています。該当する身としては、「リスク低」と言われることにやや抵抗感はあるものの、でもやっぱり世間的にはそう見えるのは仕方ありません(現に私はiDeCoでなくても株式100%で資産運用しています)。

一方、この先、公務員と言えどもずっと安泰なわけはない、との危機感は朧気ながら持ち合わせており、いずれ「霞が関公務員の働き方」のことなども記事にしてみるつもりです。

先日、ついに国民年金基金連合会から「個人型年金加入確認通知書」が届き、iDeCoの口座のもうすぐ開設できそうです。口座開設を機に目指すアセットアロケーションを再設定したいと思っています。